2017年3月の本番に向けた「市民による小田原音楽フェスティバル」の練習が着々と進んでいる。今回の曲は「合唱の金字塔」ともいわれる『大地讃頌』で締めくくられる混声合唱のためのカンタータ『土の歌』と混声合唱組曲『旅』。両曲の作曲者・佐藤眞氏(78)が11月20日、主な練習場である三の丸小学校を訪れ、約100人の合唱団員の前で講演した。
佐藤氏は合唱団の前に来ると、自分の生い立ちを披露。作詞の大木惇夫氏とともに曲と詞を並行して作ったという制作裏話には、皆興味津々だった。
『土の歌』は佐藤氏が20代前半で作曲。播種に始まり、自然の描写をしたかと思えば、人の起こした戦争や天変地異の様子を短いフレーズで歌う同曲の最後が「どうして大地讃頌なのですか」との団員の質問に、「この大地の上でいろんなことがあった。だけども、大地をほめたたえよ」と詞曲の意味を話した。また、「第7楽章まである土の歌のなかでも、大地讃頌だけが卒業式でよく歌われるのはなぜ」という質問には「知りません」ときっぱり答え、会場が笑いに包まれる場面もあった。
合唱団は現在、『土の歌』を一通り歌い、今後は並行して『旅』を練習する。年内は12月21日まで毎週水曜日の午後6時45分から同校(一部を除く)で練習。本番でタクトを握る佐藤氏は「この曲を作ってから半世紀。だからもうほぼ他人の曲のような感覚。みんないい音楽をやるために集まっていると思うから、私も今度は演奏家として、この曲がいい演奏になるよう仕上げていきます」と話した。
市民合唱団は現在も団員を募集中。問合せは事務局【電話】0465・35・0454または市文化政策課【電話】0465・33・1706へ。
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