小田原短期大学の新学長に就任した 上野 奈初美(なうみ)さん 東京都在住 66歳
『学ぶ楽しさ』を作る
○…「与えられた役割を粛々と取り組むのみ」。前学長の定年に伴い、今年4月に11代目新学長に就任。保育学科、食物栄養学科を備え、学生400人、職員100人。「小規模校の良さをこんなにも体現できている学校はない」と、学生へのきめ細やかな対応をはじめ、おだたん食育村など地域に開いた事業など伝統をつないでいく一方で、「新しい時代への教育改革は必要。ICTも活用し、自らが課題を見つけ、発表していく手法も進めていきたい」と熱く語る。
○…31年間にわたり、健康教育学・身体教育学を専門に教員などを経験。2014年に小田原短期大学に保育学科の通信教育課程が新たに開設されることを知り、「これまでにない通信教育。その場に自分もいたい」と飛び込んだ。多様な受講生たちへの授業が「自分の学びになる」と一直線に進んだ。学科長を経て昨年、副学長に。「少子化の中で学校をつないでいくためには何が必要か」を考え続けた。前学長と大学の未来を考える中で「『学ぶ楽しさ』のきっかけをどれだけ作っていけるのかに尽きる」と確信した。
○…九州出身。「高齢化が進み、健康のために、体を動かすことが大事になる」と都内の大学に進学し身体健康学を専攻。卒業後、関西の大学で助手を経験したのち、保育者の養成に携わるように。「保育は社会に必要な仕事。学生たちの成長を感じられるのが醍醐味」。当時の教え子たちとは今でも年賀状のやりとりが続くという。
○…大学時代から始めたというモダンダンスで培った美しい立ち姿は今も健在。休日にはスポーツ観戦で息抜きも。大学からの下り坂、「風が吹いて、緑が気持ちいい。豊かな環境も癒しの一つ」と微笑んだ。
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