南足柄市の加藤修平市長は1日の市議会本会議で「小田原市と南足柄市の合併はするべきではないと判断した」と述べ、小田原市との間で設置した「中心市のあり方任意協議会」について「合併が目的であるかの様相を深め市民を困惑させた」などと総括した。
2市協議の総括は1日午後の本会議で、滝本妙子氏の一般質問に答えるかたちで市長が表明した。
答弁で登壇した市長は約50人の傍聴者と16人の市議らを前に、用意した原稿3枚を読み上げ、合併を見送る政治判断と1年間にわたる協議会を総括した。
目的と手段
冒頭で「まずは結論を申し上げる」として合併を見送る意思を示すと、2市協議が当初に標榜した目的と手法に触れた。
「持続して安定した市民サービスの提供と県西地域2市8町の連携と強化」が設置目的だったこと、実現の手段として「合併」「大都市制度(中核市)の活用」「新たな広域連携体制の構築」の3つがあったことを強調し、「2市8町の連携強化策を示すことができなかった」とした。
財政効果
両市の合併効果額を「10年間で約150億円」とした任意協議会の試算については「歳出削減だけの効果額。その70%は人件費と電算システムの効果で歳入確保の方策を示すことができなかった。効果は限定的で安定的ではない」と指摘し、今回の合併を見送ることとした理由の一つにこの試算をあげた。
先送りを指摘
「合併」とともに手法としてあげた大都市制度(中核市)の活用と新たな広域連携体制の構築がいずれも「先送りとなった」ことも重ねて強調し、「任意協議会の目的を度外視して手法の一つである合併に向かうことの正当性を見いだせなかった」との見解も示した。
「対等、尊重」
今後の広域行政については「対等、尊重の立場」で推進することの重要性を指摘し、足柄上地区1市5町での警察行政、医療・病院行政などへの影響にも懸念を示した上で、この合併に「大義や合理性を見いだすことが、どうしてもできない」と苦渋の判断だったことを示唆した。
市民説明会で聴いた市民の意見や提言、アンケート結果を「真摯に受け止めた」とし「強い意志と決意をもって合併するべきではないと判断した」と繰り返した。
市民に陳謝も
約9分間の表明では一部で加熱した合併論議にも触れ「南足柄市に必要なことは困惑や混迷、分断ではなく結束と安定、落ち着き」とし「それを実現することが政治の使命」と述べ判断に理解を求めた。
また中心市協議が「合併協議の様相を深め市民を困惑させた」として陳謝。全9回の協議を傍聴した市民や事務調整にあたった両市職員にも敬意を示した。
今後については「強い決意と覚悟のもとで行財政環境を整えなければならない」との認識を示し「小田原市とも未来志向でさらなる連携を図り、県とも従前にも増して緊密に連携したい」とした。
小田原市の反応
南足柄市長が合併を見送ることを表明したことについて小田原市の加藤憲一市長は「極めて残念だが、この時点での判断として受け止めざるを得ない。対応を慎重に検討したい」とする談話を発表した。
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