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大野山 夢かなえ牧場主に 山地酪農5月にも稼働へ

経済

公開:2018年3月3日

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牧場になる山(手前)で作業をする島崎薫さん =大野山山頂付近
牧場になる山(手前)で作業をする島崎薫さん =大野山山頂付近

 上空で何羽ものトンビが旋回する大野山の山頂付近。富士山や足柄平野が一望できる標高650メートルの山間に今年5月、牧場が開かれようとしている。

 相模原市出身で2016年9月に山北町共和地区へ移住した島崎薫さん(28)がその牧場のオーナーになる。地元財産区から8・8ヘクタールの土地を借り、搾乳小屋を建てる許可を県から得ている。新規就農や政府系金融機関の融資手続きを進め「5月中旬には牛を連れてきたい」という。

 めざす酪農のスタイルは大量生産とは対極にある山地酪農。草食動物の牛にストレスや輸入飼料などの穀物は与えず、本来あるべき姿のまま山に放牧して自然の力で育てる。仔牛を育てるために必要な乳までは取らず、子育てに余ったお乳を搾乳するのが山地酪農の特長で、同時に山の保全にも役立つという。

 経営が安定するまでは主に、利益率が高い「ソフトクリームミックス」(ソフトクリームの元の液体)をつくり販路に乗せる。そのあても確保しつつある。

 大学を卒業してから4年半、岩手県の中洞牧場で山地酪農を学び、牧場がある北上山系から5頭のジャージー牛を呼び寄せる。

 小田原からも眺めることができる大野山の山頂でこの夏、茶色いジャージー牛の親子が歩き回る姿を見ることができそうだ。

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