虫沢古道を守る会会長の 山岸 榮市さん 松田町寄在住 71歳
○…松田町内で古道の復活やハイキングコースの景観美化などに取り組むこと10年。「虫沢古道を守る会」が節目を迎えた。「長いようで短い年月だった。ハイカーの人たちが増えてなにより」とこれまでを振り返る。
○…生まれも育ちも松田町寄。近隣の山々は杉や檜に囲まれ、幼いころは林業が栄えていた。会の主な活動場所となっている虫沢古道も当時は人々が行き交う生活道。「きれいに伐採されていて少し歩いたぐらいじゃ私たちが風呂釜で使う薪が採れなかった」と少年時代を回想。「林が整備されていたおかげで山に入っても木の間から下が見えるから迷うことはなかった」と笑う。時代の流れとともに、森林は閉鎖に。花嫁(はなじょろ)さんが通ったことから名づけられた『はなじょろ道』も時の経過とともに整備が届かなくなり、利用する人も減少した。10年前、「地元の道を復活させよう」と前会長の古谷正夫さん(現・名誉会長)と共に古道の再生に向け、動き出す。時には現地調査で道なき道を歩くとマムシに遭遇することもあった。
○…「地元の古道が通れるようになった今、自分たちの幼少期を思い出す」と感慨深げ。復活だけでなく、継承にも力を注ぎ、今後は寄小学校の児童たちにも実際に古道を歩いてもらう活動もしていくという。「子どもたちに高松山の素晴らしさを見せてやりたい。地元の山に誇りをもってほしいな」
○…節目を迎え、第六天再建の経緯を記した記念碑を建立した。しかし、その裏では先の台風10号の影響で古道が荒れてしまっている箇所もあるという。「これから修繕活動をしないといけない」と気を引き締めながら「今後は山梨県の道志村まで道を延ばせたら」と野望も抱いている。
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