足柄・小田原地域の災害と歴史を市民目線で見直し、情報発信する歴史研究団体「足柄の歴史再発見クラブ」(関口康弘会長)がこのほど、「みんなで学ぶ富士山と酒匂川」を刊行した。2019年に出した「新編富士山と酒匂川」の概略版で、日本語のほか、英語、中国語でも表記されている。
「足柄の歴史再発見クラブ」は、地域の災害の歴史を後世に伝えていくことなどを目的に2006年に発足した市民グループ。研究成果として最初に発表したのが「足柄歴史新聞富士山と酒匂川」で2007年のこと。富士山の噴火とそれに伴う酒匂川の氾濫、そしてそこからどのように人々が立ち上がっていったかなどをまとめた一冊で、小学校の副読本にもなった。
さらに、その後10年ほど経ち、時間とともにさらに深まった研究や明らかになった事実を加筆し、近現代における足柄・小田原の災害を盛り込んだ「新編富士山と酒匂川」を2019年に発行した。この編集途中に持ち上がったのが、国際的文化交流の観点からも「国内外問わず広く自分たちの取り組みを知ってもらおう」という考え。こうして生まれたのが今回の「みんなで学ぶ富士山と酒匂川」だ。「みんなで学ぶ」には、日本だけでなく、外国人にもという思いを込めた。
酒匂川に残る霞堤、酒匂川の土砂災害、文命用水と酒匂川用水、集中豪雨から学ぶこと、水害への備えなど、歴史資料だけでなく、地域を歩きながら知ることのできるガイドブック的な側面を併せ持つ。関口さんは「内容の取捨選択、スペースの取り方には特に苦労したが、今は外国人の方が来られないが時期が来たらたくさんの人に読んでもらいたい」と話す。
本は開成町のミクニ書店で1冊税込1100円で販売されている。
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