順天堂大学医学部の赤澤智宏教授らが11月28日から12月1日までの3日間、南足柄市の保健医療福祉センターで、人のだ液に含まれる菌類のバランスの解析を通じて認知症の傾向などの診断につなげることを目指す実証実験を実施した。
赤澤教授らは「認知機能が低下していくと歯の磨き方が悪くなる傾向があり、口内の菌類のバランスが変化する」という点などに注目。今後の研究に役立てるため、健康な高齢者のだ液収集の協力先を探していたところ、今回、南足柄市が自治体としては初めて協力した。
実験では、赤澤教授らが市内外の70歳以上の高齢者82人から、それぞれだ液2ミリリットルを採取。今後、だ液内の菌の組成を調査するという。赤澤教授は「だ液は手軽に採取できるもの。認知症だけでなく、将来がんや自己免疫疾患なども、だ液から診断可能にできれば」と話した。
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