松田町国民健康保険診療所(寄診療所)の所長に就任した 藤本 修平さん 大磯町在住 68歳
患者の喜びが自分の喜び
○…明るい声と柔和な笑顔で、日々患者の心に寄り添っている。「患者さまの喜びが私の喜び。そう感じられると医者として幸せだし、喜びがあるからこそどれだけでも働けるんだよね」。松田町の寄地区に建つ診療所の所長に就任して約2カ月。内科一般や呼吸器疾患、高齢者医療、感染症などを専門領域とし、週4日、同診療所で診察を続けている。過疎化が進み「医者が不足して困っている地域。所長になり、頑張らなきゃ、と気が引き締まった」。
○…愛知県生まれ、東京都育ち。医学への熱意が高まったのは中学時代、ある医師との出会いだった。当時、姉が長期入院した際、米国留学から帰国した医師が姉を診断。処方された薬での治療が始まると、1週間ほどで症状が改善し、その後、短期間で退院できた。「名医だ。医学の力ってすごいな」と胸を打たれた。
○…群馬大学医学部に進学。卒業後、30代のときに八ヶ岳の麓にある僻地の病院に3年ほど勤務した経験が印象深い。「僻地は患者と医者のつながりがすごく密接」。そこに医師冥利に尽きるやり甲斐も感じた。数年後に米国に渡り、博士研究員として4年ほどミシガン大学で感染症の基礎的な研究に打ち込んだ。帰国後は、群馬大学の微生物学講座で講師を務めたほか、09年からは11年間にわたり東海大学医学部の教授として学生を指導。知識だけでなく、患者と心を通わせることの大切さも伝えてきた。
○…趣味はジョギング。大磯の海岸などを走るほか、湘南平を登るのも楽しんでいる。今後は、寄診療所を「地域の人に一層親しまれ、気軽に来られる場所として維持していきたい」という。健康を願う多くの人と、喜びを共にしていけるように。
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