開成町の4施設では現在、アメリカからの団体ツアーの経由地の1つとして、受け入れを行っている。日常生活を送る日本人と交流したい観光客と、外国人と接する機会が少ない町民の双方から好評を博している。
昨年7月、箱根へのツアーを行っていたあるツアー会社が「あしがり郷瀬戸屋敷」(以下、瀬戸屋敷)を偶然見かけたことがきっかけで翌月にツアー客の受け入れをスタートした。今年4月からは「あしがらグリーンファーム」、「佐野ファーム」、「開成水辺フォレストスプリングス」を加えた4施設での受け入れを開始。今年も箱根に向かうツアーの経由地として11月までに合計で190回以上の受け入れを予定している。
受け入れ施設の1つ、瀬戸屋敷ではアメリカ人観光客約15人を対象にランチづくりやランチ交流会、施設周辺の散策を実施している。同施設の川口勇作副館長は「お酒が好きな方が多かったら近所の酒蔵に行ったり、地元の人と交流したいと言われたら知り合いの家に行ったり毎回内容を変更して実施しています」と話す。以前は昔の日本人の文化を体験できるような内容を用意していたというが、参加者に対するアンケートで文化の体験よりも地域住民との交流の方が評価が高かったことから、地元住民との交流に重きを置いた内容に。観光客の1人は「地元住民が英語で自己紹介をしてくれたのがとても良かった」と話した。
町民の貴重な経験に
受け入れの際はスタッフのほかに地域住民が協力している施設も。瀬戸屋敷ではこれまでに7団体80人が食事の準備やガイド補助などで協力しているという。参加した地域住民の1人は「外国人があまり来ない開成町に観光に来てくれること自体とてもうれしい。観光客の方々にも楽しんでもらいたい」と笑う。
川口副館長は「『次はいつなの?』と住民の方に聞かれることも。これを機に町への愛着を深めてほしい」と語った。
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