開成町の古民家ガーデン「紋蔵」(金井島1294)が所蔵する関東大震災の惨状を伝える資料『大地震かぞえぶし』が、7月から神奈川県立歴史博物館(横浜市中区)で行われる特別展「関東大震災〜原点は100年前〜」で展示されることがこのほど決まった。
『大地震かぞえぶし』は関東大震災発生当時の住民が震災の様子について数え歌として記録したもの。人々が逃げ惑い、地面が割れて泥水が噴き出す様子や寝食を忘れて救助活動にあたるようすなどが生々しく描かれている。
9年ほど前に資料を発見した「紋蔵」管理人の志澤晴彦さんは今年4月、関東大震災から100年の年であったことから、「『大地震かぞえぶし』をより多くの人に見てもらいたい」と同館に資料の持ち込みを行ったところ、同館でも関東大震災の特別展を開催する予定があり、展示が決まった。志澤さんは「この資料を見ることで過去の震災の教訓を得て、防災について考えてほしい」と述べる。
同館学芸員の武田周一郎さんは、作者の詳細など『大地震かぞえぶし』には不明の部分が多いとしつつ「当時の庶民によって書かれた、とても興味深い資料だと思う。当時のことを後世に伝えようという作者や志澤さんの思いを、震災から100年というこのタイミングで多くの方にご覧いただければ」と話す。
震源地の資料として
関東大震災の震源地は小田原沖とされており、県西部も大きな被害を受けた。志澤さんは「関東大震災というと東京や横浜の状況が語られることが多いが、震源地である県西部の災害状況は資料が少なく、語られることはあまりない」とし、「今回の展示を機に県西部での当時の資料が多く発見され、震源地ならでは被害状況が明らかになれば」と思いを語る。
特別展「関東大震災〜原点は100年前〜」は7月29日(土)から9月18日(祝)まで開催され、期間中は学芸員による展示解説や記念講演が行われる予定。一般900円〜、65歳以上200円〜。午前9時30分〜午後5時(入館4時30分)。月曜休館。(問)同館【電話】045・201・0926
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