県政報告 県民目線忘れず 神奈川県議会議員 杉本とおる
今年は元日に能登半島地震が発生し、地域一帯が甚大な被害を受けました。お亡くなりになられた方々に謹んでお悔み申し上げます。また、被災し、今も不自由な生活を余儀なくされている方々に心からお見舞い申し上げます。
神奈川県としては、発災直後から職員派遣等、様々な支援を行っています。しかし、言うまでもありませんが復旧への道のりは簡単ではなく、時間がかかります。被災地のニーズに合った支援を継続的に行っていくことが必要でしょう。
一方、私たちはこうした災害を教訓としなければなりません。今の時代、行政機能が麻痺するような災害、あまりに広範囲にわたり、被災者支援が迅速には行き渡らない災害が、ないと限りません。ご自宅での備えはどうか、改めて見直して頂きたいと思います。
県では今年度、断水に備えた水循環式シャワーや携帯トイレなどの備蓄を増強するほか、衛生通信システムの導入を予算化しました。また、地震被害想定調査を見直し、来年度策定予定の「地震防災戦略」に反映していきます。
県の新年度予算
さて、今年度の一般会計当初予算額は、2兆1045億円です。主な重点施策は、【1】子ども・子育てへの支援【2】2050年脱炭素社会の実現に向けた取組【3】当事者目線の障がい福祉の実現【4】「災害に強いかながわ」に向けた取組【5】県民目線のデジタル行政でやさしい社会の実現であります。
重点事業は
いくつか重点事業の具体例を挙げます。妊娠・出産支援の強化として、不妊治療費(先進医療分)の助成支援、私立高等学校等生徒学費補助の拡充(多子世帯の年収上限の拡大)、SNSを活用した相談体制の充実(児童虐待、こどもの貧困、DV、いじめ、ケアラー等)、県立学校へ民間の部活指導員を配置、緊急医療相談(#7119)の全県展開、中小企業の生産性向上に向けた支援、災害時の緊急輸送体制の確保のため、道路の整備や橋りょうの耐震化等を推進、道路標示の補修や信号機のLED化の推進、三浦市でのライドシェア実証実験。
足柄上地域に目を向けますと、県立足柄上病院2号館を建て替えます。また、地域資源を生かした未病改善による心地よい暮らし、移住・定住の更なる促進に向け、「住む」「働く・楽しむ」「育む・学ぶ」「つながる」の4つの分野を柱とする「県西地域活性化プロジェクト」を改定。関係人口の創出や交流人口の増加と合わせ、一層力を入れて取り組んでいきます。
人口減少や少子高齢化、地域経済の衰退、インフラの老朽化など、近年、地方自治体を取り巻く課題は色々な状況が組み合わさり、複雑化しています。中には、これまでの常識では解決策が見えにくいものもあるかもしれません。経験に頼るだけでなく、新たな発想や連携の枠組みを模索するなど、常識をアップデートし柔軟な姿勢を旨とし力を尽くして参ります。
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