神奈川県山林種苗協同組合の元理事長として令和6年度神奈川県県民功労者表彰を受賞した 町田 憲司さん 南足柄市広町在住 81歳
正しい栽培知識を後世に
○…県内のスギ・ヒノキなどの広葉樹を生産販売する「神奈川県山林種苗協同組合」。2014年から4期8年理事長を務め、積極的な花粉症対策苗木の普及活動が評価された。現在、無花粉スギを扱っているのは、神奈川県や富山県など数県。無花粉ヒノキは、12年に全国で初めて神奈川県が発見し、22年に品種登録を行っている。「全国的には少花粉のスギやヒノキが主流で、無花粉はコストが高く手間がかるのが課題。神奈川県が先頭に立って普及させていきたい」
○…個人として出荷する苗は約2万本。南足柄の森林から種を持ち帰り、自身の畑で1年余りかけて苗に育て、県に出荷する。栽培方法も日々進化し、現在はコンテナ苗(専用のコンテナ容器で育苗された根鉢付きの苗木)で栽培する。「短期間で良質な苗を育てられるようになりましたが、水を毎日あげねばならず、家をあけづらくなりました」と説明する。
○…南足柄生まれの南足柄育ち。高校卒業とともに実家の農業を引継ぎ、主にミカンやキウイフルーツを栽培する。趣味は釣り。川に海に、車で旅行がてら、よく出掛けていたが、コロナ禍を経て、その回数は格段に減った。「これから心地よい風が感じられる季節。何かきっかけがあれば、また始めようと思うのですが」
○…組合の大きな課題の一つが後継者。全国的な問題だが、神奈川県も例外ではく、年齢を理由に廃業する人も増えている。自身は長男と二人三脚で仕事をこなしており、「本当に心強い」と感謝する。「林業に興味ある若者も多く、ここ数年で3、4人全く違う業種の人が転職してきました。そうした若者に正しい知識を伝えることが我々の役目ですね」と力強く話した。
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