機関紙足柄乃文化第51号を発行した山北町地方史研究会の会長を務める 茂木 哲夫さん 山北町平山在住 82歳
山北の歴史、遺産を後世に
○…1958年に設立した郷土史研究団体「山北町地方史研究会」。足柄地方の歴史・民俗・考古などの資料を調査、整理、研究し、民俗文化の保存を図る活動を行っている。主な活動は機関紙『足柄乃文化』の発刊と年1回の文化講演会の開催。5月に発刊した51号はユネスコ無形文化遺産に登録された『山北のお峰入り』を中心に紹介している。昭和9年まで東海道線が山北町を通過していた歴史に触れ、「山北の歴史は鉄道、河村城、丹沢と3つの大きな柱があります。どれもとても興味深いですね」。
○…定年後、2003年、山北町史編纂室に嘱託勤務をしたのを機に、研究会の活動に本格的に携わり、11年から会長を務める。会は町からの補助金と345人の会員が購入する『足柄乃文化』の購入費で成り立っている。「会員の協力により、半世紀以上に渡り調査、研究ができている。山北の団結力と郷土愛は強いです」と胸を張る。
○…秋田県出身。高校卒業後に上京した。23歳の時、県立高校教員に採用され、足柄、秦野地区の日本史の教諭として奉職した。趣味はテニス。妻と一緒に始めたが、コロナ前までは週1回、仲間と汗を流していた。「健康に良いと思い始めたテニス。結構な運動量だったのですよ」と振り返る。
○…「定年後、町の文化財保護委員に勧められたのが運の尽き」と照れ臭そうにするが、現在は「河村城址保存会」「山北町文化財ガイド友の会」「川村家文書を読む会」など歴史関係5団体に所属する。遺跡では縄文時代、文献では平安時代までさかのぼれる山北町。「古くから栄えた地域でさまざまな遺構や文献、文化などが町内各地に残されている。こうしたものを後世に引き継いでいきたい」と話した。
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