句集「足柄峠」を6月20日に発刊した 加藤 健治さん 南足柄市向田在住 87歳
自然、自身の思いを俳句に
○…初めての句集『足柄峠』。「だすつもりはなかったのですけど」と、発刊の経緯を思い出しほほえむ。教員として最初に赴任した鎌倉市立第一中学校の当時の教え子が集まった同窓会で「私たちも手伝うので」と背中を押され、約1年かけてまとめた。教員生活の思い出、足柄の豊かな自然などを詠みあげた400句が収められている。
○…県内の中学、高校の数学教師として奉職してきた。教員生活の中で思い出深いのは、40歳の時に赴任した足柄高校。開校に立ち合い、「旧足柄中学校の校舎を仮校舎として行った授業は忘れられません。教育というものを改めて勉強させられた時間でした」と振り返る。その後、大井高校で校長を務めるなど、足柄地区に教え子は多く、今でも毎年、数回は同窓会に呼ばれている。
○…定年後、南足柄市の教育長に就任した。教員や保護者、地元住民などの前で挨拶をする機会が増え、俳句を添えてみたところ受けが良かったこともあり、本格的に勉強を始めた。全国的な組織「玄鳥俳句会」や地元の「みなみ俳句会」「やまぶき句会」などに入会した。「トイレや風呂など一人の時に句は湧いてきます。1日1句は詠んでいます」と、今では数々の賞を受賞する腕前になった。
○…南足柄市生まれ。息子、娘は近隣に住み、大学生から小学生まで4人の孫がよく遊びに来る。「小学生の孫はおばあちゃん子ですが、元気で本当に可愛いもの」と目を細める。また、自治会長も務め、『ひだまり坂』の横にある花壇の整備などを率先して行うなど、地域活動にも取り組んできた。「足柄は環境に恵まれた史跡に富んでいる地域。これからも自然とのふれあい、人とのつながり、郷愁などを詠んでいきたい」
|
|
|
|
|
|