10月は乳がん月間。県が発表する最新データである2019年度、20年度の乳がん検診の受診率で、足柄上地域(南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町)は、1市5町とも県平均より高く、中でも山北町は県内で2番目に高かった。
日本人女性の9人に1人が乳がんになると言われる。早期発見により適切な治療が行われた場合、良好な経過が期待できるとされ、国では1994年から10月を乳がん月間として定め、検診を推奨している。検診は各自治体がクーポン券などがついた案内を郵送などで通知、各自治体が行う集団検診や指定医療機関での検診が主流となっている。
足柄上地域の2019年度、20年度における40歳から69歳までの女性人口に対する乳がんの検診状況を見ると、1市5町とも県平均より高い検診受診率だった。中でも、山北町は両年度とも、県内でも2位だった。山北町は21年度は17・1%、22年度は17・7%、23年度は19・2%と、コロナ禍でも高かった。山北町保険健康課の担当者によると「胃や大腸など他のがん受診率が高いわけではないので、明確な理由はわかりません。子宮頸がんも高い傾向にあるので、女性の検診に対する認識が高いのかもしれません」と話す。
近隣自治体では、隣の小田原市は19、20年度とも9・0%と県平均を下回っている。市健康づくり課の担当者は「昨年からピンクリボンぷらすODAWARAと連携し、イベントを開催して、早期発見の大切さの周知を行なっています。少しでも、受診率が上がってくれれば」と話す。
早期発見が一番
1市5町が実施している検診は、南足柄市と中井町は毎年、30歳〜39歳の女性に対し超音波検査、40歳以上の女性に対しマンモグラフィー(中井町は隔年)を実施する。大井町、松田町、山北町、開成町の4町は同様の検査を隔年で実施する。
県や市町村では、健診の受診率あげるため、様々な試みを行なっている。県が10月の1カ月間実施する「ピンクリボンライトアップ」もその一つで、近隣では松田山ハーブガーデンで行なわれる。
1市5町を統括する小田原保健福祉事務所足柄上センターの担当者は「乳がんは早期発見で治療が可能な病気です。発見には定期的な検診が重要ですので、対象の年齢になった方は、ぜひ受診ください」と話した。
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