県政報告 取り組みを前へ 神奈川県議会議員 杉本とおる
朝晩と日中の気温差が大きい季節です。身体は知らず知らずの内に疲れをため込んでいきますので、体調管理には一層気をつけたいところです。
さて、県議会第3回定例会が9月から始まり、前半が終了しました。今定例会は、補正予算等が主な議案です。これは、追加事業の発生や、緊急でやむを得ない事情により予算の追加や変更を行うもので、今回は総額約3億6400万円の補正でありました。いくつか紹介します。
いつ発生するか分からない自然災害に対し、AI機能を備え活用します。大規模災害発生時には膨大な情報を整理・分析する必要があり、職員の意思決定や作業支援が期待されます。
来年8月から運転免許センターでキャッシュレス化を進めるにあたり、自動決済機を導入します。各種手数料の支払いが簡単でスピーディーになります。
このほか、神奈川産業振興センターによる設備の割賦販売とリース事業に対する貸付金を拡大します。県内小規模企業者等の設備投資意欲が増加していることに対応するものです。県は、こうした喫緊の課題に向き合いながら、県民の豊かで安心な暮らしのために取り組んでいます。
足柄上郡の課題
次に足柄上郡に目を向けたいと思います。地域には様々な課題がありますが、これまでと同じアプローチでは対応しきれないものが少なくありません。引き続き国や市町と強固に連携し、常に情報や知識をアップデートして取り組んでいきたいと思います。
災害への備え
まず、南海トラフ地震や神奈川西部地震などの切迫性が指摘される中、地震活動や津波に関する監視体制を強化しなければなりません。また、富士山噴火に伴う溶岩流・降灰といった火山現象を想定し、実効性の高い避難体制も必要です。
国や県には有事の際に各町が戸惑うことなく、町民に適切な指示ができるよう支援することが求められます。このほか、防災備蓄倉庫の設置に係る要件を緩和し、円滑な設置を促進していかなければなりません。
防犯対策の強化
昨今、物騒な事件等も相次いでいます。地域防災力強化事業費補助金に基づく防犯カメラの設置は、補助対象や補助金額の拡大を図りながら、引き続き継続し、機能強化に伴う更新も積極的に進めるべきです。
悲惨な交通事故も後を絶ちません。事故防止には、横断歩道や道路のセンターライン、停止線などの不鮮明な路面規制標示の定期的な補修が欠かせません。
環境の保全
有害鳥獣対策として、シカ・イノシシについて、第二種特定鳥獣管理計画等に基づき対応が必要です。全国的にクマの人里への出没が増加しており、緊急時には迅速かつ柔軟な対応が求められます。
広大な森林の機能を維持するには、適正な整備が必要です。そのためにも、町向けの研修や技術支援を行い、地域で計画的に活動することができる土台を築かなければなりません。ナラ枯れ対策にもつながるでしょう。地球温暖化の防止、エネルギーの地産地消も忘れてはいけません。県独自の政策として初期投資への助成も必要です。
生活環境の整備
このほかにも、県立足柄上病院の助産師分娩の再開や酒匂川の洪水対策、酒匂川左岸道路の未整備区間である松田町から山北町への延伸、都市計画道路山北開成小田原線の計画区間の全線整備など、課題は山積しています。
全てを一度に変えることは困難ですが、課題を見極め、取り組みを少しずつ前に進めています。住んでよかった、住み続けたいという地域づくりのために、今後も力を尽くします。
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