山北町、松田町などでツキノワグマの目撃情報が例年を上回るペースで増加している。足柄上地域では、観光シーズンを迎え、自治体の担当者は住民や観光客に注意を呼び掛けている。
足柄上地域(南足柄市、中井町、大井町、松田町、山北町、開成町)で4月1日から11月19日までに寄せられたクマの目撃・痕跡情報は23件(23年度17件)。神奈川県全体でも103件(同80件)と7カ月間余りで、足柄上地域・県のいずれも昨年度を超えている。足柄上郡猟友会の中野博会長は「熊の出没はドングリなどエサの状況が影響します。今年はここ数年で、一番の不作といわれているので、19年度以来高い水準に増える可能性もあります」と注意を呼び掛ける。
足柄上地域を市町別でみると、4月から11月19日現在で、山北町が11件(23年度11件)、松田町が10件(同5件)、南足柄市が2件(同1件)。中井町、大井町、開成町では目撃情報は寄せられていない。山北町の丹沢の山々と寄地区で目撃されたものがほとんどだ。昨年から目撃が倍増する松田町の担当者によると「寄地区だけでなく松田山や松田庶子など比較的、民家に近いところで発見されています」と今年の傾向を話す。
現状を踏まえ、南足柄市、松田町、山北町では、ホームページなどでクマに会わないようにする対策や、万が一遭遇した時の対策などを掲載している。
山北町ではさらに、毎年専門家に依頼して、足跡やエサ状況など生態状況を調べ、クマの出没しやすい地域などを分析し、町民に注意喚起している。中野会長は「クマの生息数も増えています。一度、民家近くに下りてきて人間の育てた作物の味を覚えると何回も来る傾向があり、本格的な駆除を考える必要があるのでは」と話した。
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