山北町 三保みつまたの里構想 群生地を観光資源へ 初の観賞ツアーも実施
3月中旬から4月上旬にかけて黄色の花が開く「みつまた」。かつて和紙の材料として出荷していたこともある山北町三保地区で、地域を「みつまたの里」にしようという活動が広がっている。登山者に人気の観賞スポットをハイキングコースに整備していこうという調査をはじめ、3月26日には県の旅行商品ツアーも実施されるなど、少しずつ形を見せてきている。
中心で活動しているのが地元の「みつまたによる地域づくり実行委員会」(高橋春男実行委員長)。町や商工会、観光協会、丹沢湖を管理する県企業庁なども連動し、一体となって推進している。
群生地の一つ、細川沢に沿った山の斜面に自生する「細川橋周辺」には、県道から歩いて10分〜30分で到着する。高橋さんは「5年ほど前に杉の木が伐採され明るくなったことから、種がこぼれて少しずつ増えてきました」と説明する。みつまたは鹿の食害にも強いことから、他の植物のように新芽が食されることがないという。
みつまたによる地域づくりの出発になったのが、ミツバ岳(834m)。頂上に大きなみつまたの木が40本ほどあり、花が見事なことでハイカー達の評判を呼び、10年ほど前から山の雑誌にも紹介されている。現在ハイキングコースになっていないが、愛好者達が登ったことから登山道ができていったという。3月7日には同実行委や企業庁、観光協会、町役場、三保駐在所から10人が参加し現地調査を行い、頂上に2年生の苗木80本も植樹した。「度重なった台風の襲来で一部道が危ないカ所もあった。今後はハイキングコースとして認可され整備されるように町を通じて働きかけていきたい」と高橋さんらは意欲をみせる。
県の「やまなみ五湖・水源地域交流の里づくり計画」の水源地ツーリズム事業で26日、初のツアー「みつまた群生地をハイキング!」(運営=近畿日本ツーリスト神奈川)も実施され、横浜市民ら20人が訪れる。
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