開成町議会(小林哲雄議長)が年1回、開催している「日曜議会」が6月29日に10回目を迎える。
日曜議会はより多くの人に議会を傍聴する機会を設けようと、通常平日に行っている議会を日曜日に開催するもの。全国でも実施している自治体は数少ない。
開成町では2005年に町制50周年記念事業のひとつとして開催して以来、毎年継続している。平均で延べ50人の傍聴者があり、11年の日曜議会には町長選・町議選のすぐ後ということもあり、過去最高の94人が議場に足を運んだ。
05年に議長を務めていた府川裕一町長は「日曜議会を実施できたのは、議員だけでなく、当時の露木順一町長ら行政側の協力もあってこそ。現在まで続いているのは、常に先進的な取り組みを取り入れていこうとする開成町議会の伝統が引き継がれているからでは」と話している。
独自のしくみ
開成町の日曜議会では、原則として一般質問を行っている。質問は1人1項目、持ち時間も30分に制限するなど、1日で登壇するすべて議員の質問が出され、タイムスケジュール通りに傍聴できるようにしている。また経費の面でも、基本的に開催を告知するチラシの紙代のみで、印刷は議会事務局で行い、折り込みは広報誌と一緒に配布するため実質0円。行政側の出席者についても振替休日を活用することで特別な人件費をかけないようにしている。
29日の日曜議会は、午前9時から午後4時50分まで。議長を含む議員11人が登壇する。
進む議会改革
開成町では日曜議会以外にも、全国に先駆けた議会の取り組みを行っている。
08年には一般質問に「一問一答方式」を採用して論点や争点の明確化を図り、09年には町長に「逆質問権」を付与、町民との意見交換を行う「議会報告会」も始めた。10年には議会の会期を約1年間とする「通年議会」を全国で4番目に採用。町民と議会、町長と議会の関係などを明文化した「議会基本条例」も施行した。
こうした取り組みが評価され、11年には全国町村議会議長会特別表彰を県内で初受章。県外からの視察も多い。小林議長は「議員・行政・町民の意識の高さが議会改革につながっている。今後も先進地の情報などを収集しながら一歩一歩進めて行きたい。町内外の方にも、ぜひ日曜議会を傍聴してもらいたい」と語る。
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