統一地方選挙前半戦の神奈川県議会議員選挙が12日にあり、県議選南足柄市選挙区で新人の瀬戸良雄氏(67)が初当選を果たした。県知事選では大井町の投票率が県下で3番目に低い28・86%となるなど、足柄上地域での低投票率が際立つ結果となった。
県議選南足柄市選挙区は自民党など政党公認候補がいないなか、無所属2人による一騎打ちとなった。
市議3期を務め1995年に県議へ転身し、県議会では副議長も経験した重鎮の川上賢治氏(76)は、5期20年の実績を強調して6選を目指した。
一方の瀬戸氏は県職員から市議1期を務め前回2011年に初めて県議選に挑戦したが現職の厚い壁に阻まれた。その後、4年をかけて市内全域で組織固めに取り組み、捲土重来を期して告示を迎えた。
3月13日、県議会定例会が閉会すると事実上の選挙戦がスタートした。翌14日に大手新聞社が都道府県議会の政務活動費に関する調査報道を紙面に掲載。そのなかで川上氏の地元団体への支出が指摘された。
それまで現職への「多選批判」を強めていた瀬戸氏だったが、元兵庫県議の不正支出を引き合いに現職への攻勢を強めそのまま選挙戦に突入した。
女性の力
瀬戸氏の陣営では、元市議ら女性の支持者でつくる支援グループ「れもんの会」が力を発揮した。明るく元気な女性が前面に出る賑やかな雰囲気が陣営に満ち溢れていた。
市議会で議長を経験した女性幹部は「前回は表立って活動はしなかったが今回は全力で応援した。温厚な瀬戸さんの人柄と落選からの地道な活動が良い結果につながった」と選挙戦を振り返った。
12日午後10時、午後10時半と2度の開票速報で互角の数字が並ぶと、それまでとは一転して重苦しい空気が陣営を包んだ。
そうしたなか迎えた午後11時、開票所にいた陣営関係者から当選の一報が届くと空気が一変。拍手と歓声、支持者が手を取り合い飛び跳ねて喜び合うなか瀬戸氏が姿を現すと、瞬く間に支持者が瀬戸氏を取り囲み手を取り合った。
瀬戸氏は「有権者の皆さまから頂いた票を大切にしたい。県西地域活性化プロジェクトにからめて大学病院の医局を誘致したい」などと抱負を語った。
同じ頃、事務所で落選の報を聞いた川上氏は「すべては私の不徳の致すところ。皆さんには一所懸命やっていただいた。今後は選挙には打たず一市民として政治活動を続ける」と述べた。
県議選足柄上選挙区は自民現職の杉本透氏(61)が無投票で3選を決めた。
28・86%
県知事選、県議選ともに足柄上地域の自治体での投票率が低調に終わった(表参照)。開成町では県内で最も大きい前回比26・27ポイント減。大井町では県下で3番目に低い28・86%を記録した。
山北町では、昨年6月の町長選に続き今回の県議選も無投票となり、21日告示の町議選でも無投票の公算が大きい。
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