4月21日に告示された山北町議選は、定数14に対し届け出が14にとどまり24年ぶりの無投票となった。町選管は4月27日午前9時から選挙会を開き当選人を決定し、10時から当選人に当選証書を付与する。
本紙では、昨年秋に現職14人を対象に立候補予定に関するアンケートを実施した。これに対し岩本章治氏(75)=5期=引退を表明していた。
年明けには議長の池谷荘次郎氏(71)=3期=が引退を明らかにし、明言を避けたままの現職が1人いた。
新顔では、引退する岩本氏の地元共和地区から、NPO法人理事長の井上正文さん(70)が出馬の意思を固め、4年間にわたり町議不在だった三保地区でも元会社員の児玉洋一さん(41)を擁立。山北町議会が県内唯一の空白地域だった共産党が庄野京子さん(70)を擁立した。
21日の告示には現職11人と新顔3人が立候補を届け出たが、候補者が定数を超えなかったため無投票が決まった。
「衰退止めよう」
無所属で立候補した新顔の井上正文さん(70)=山北町皆瀬川=は「この15年間でものすごいスピードで人口が減っている。我々町民1人ひとりがどう考えるか、多くの人々と議論して衰退に歯止めをかけたい」と決意を述べた。無投票については「一生懸命やってきたので数字として成果が知りたかった」と話した。
「声届ける」
最年少で初当選した児玉洋一さん(41)=山北町中川=は「自分の票がどの程度だったか知りたい気持ちもあった」と無投票を残念がる。「三保地域の声をしっかりと町へ届けたい」と抱負を述べた。擁立に奔走した50代の支持者は「中学校の統廃合問題で地域の議員が必要だと実感した。町と地域の風通しを良くしてほしい」と、当選に安堵の表情を浮かべた。
「8年ぶり復活」
共産党の庄野京子さん(70)は「2期8年ぶりに議席が復活した。高齢者の安心と人口増へ向けた子育て環境の充実などに取り組んでいきたい」と話す。
立候補を届け出た候補者は次の通り=届出順。
▽井上正文70無新【1】、原憲司67無現【2】、庄野京子70共新【1】、瀬戸頸弘72無現【3】、鈴木登志子72無現【4】、小栗直治69無現【2】、藤原浩52無現【2】、府川輝夫59無現【2】、渡辺良孝70無現【2】、瀬戸恵津子67無現【4】、川村俊治72無現【5】、児玉洋一41無新【1】、石田照子60無現【2】、熊澤友子59公現【3】―。※上から候補者名、年齢、無・無所属、共・共産、公・公明、現・現職、新・新人、丸数字は当選回数。
”記者のめ”
昨年の町長選、今年4月の県議選に続き町議選も無投票。新顔の立候補は前回の6人から半減の3人だったが前々回は0人、03年は8人だったことを考えれば一過性の減少にも見える。
月額25万5千円の議員報酬は副町長や教育長の4割。幹部職員の足元にも及ばず「若い人のなり手がいない」現実もある。この点は全町的な議論が必要だ。
改選を経て定数14人のうち11人が当選3回以内の議員が占めることになる。女性も5人に増え共産党の復活で緊張感が増し、40代の若手も加わる。無投票だったとはいえ好材料も多い。
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