統一地方選挙の後半戦が26日投開票で実施され、南足柄市の加藤修平市長(66)=自民推薦=と開成町の府川祐一町長(59)がそれぞれ再選を果たし、4月30日に2期目のスタートを切った。両市町では同日に議員選挙も実施され、南足柄市議会で16議席、開成町議会では12議席がそれぞれ改選された。首長選で推薦候補を立てた自民党の明暗は分かれた。
南足柄市
南足柄市長選は、現職で2期目を目指す加藤氏に元市職員の鎌田雅博氏(63)が挑んだ。加藤氏は自民党の推薦を受けた組織選を展開、鎌田氏は前回の市長選で加藤氏に破れた沢長生前市長をはじめとする有志連合で選挙戦に臨んだ。
同市長選をめぐっては、昨年末まで無投票が取りざたされていたが、4年前に加藤氏に3選を阻まれた沢氏や市職員のOBらが対抗馬の擁立を模索。かつての部下で加藤市政の発足から程なくして退職した元部長の鎌田氏が「無投票を阻止したい」と2月に市長選に名乗りをあげた。
出馬表明以降の鎌田氏の陣営は、2013年末に解散した沢氏の後援会を中心に支持を拡大させた。陣営には市長選に立候補経験のある元自治体職員や県議選に立候補歴がある市内団体役員の歯科医師、さらに前市議らも加わり、全市的な組織づくりを標榜した。
現職の加藤氏は1期目の当選以降も組織の維持発展の手を緩めず勢力を地元の狩野から全市へ広げるなど、満を持して選挙戦に突入していた。
明暗象徴
選挙戦最終日の25日午後5時、まず大雄山駅前に参集したのは加藤陣営だった。500人以上を動員し、駅前をイメージカラーのオレンジ色に染めた。1時間後の午後6時には鎌田陣営も市内3方向から徒歩で駅前に集まったが、その数は約180人にとどまった。
加藤氏が進める「道の駅」について利益予測や建設場所の確保などについて疑問を呈し「計画は完全に破たんしている」と気勢を上げた。午後8時前、遊説から戻った加藤氏を60人の支持者が出迎え「品格と良識をもって戦った。私の知らないところで草の根的に動いてくださった方もいる」と、翌日の投開票に自信をのぞかせた。
加藤氏にエール
26日午後10時47分、当選の一報を受けて到着した加藤氏を250人の支持者が出迎えた。加藤氏は「4年間の是非が問われる選挙で政策の競い合いはなかった。今後は市民の心を一つにして着実に取り組む」とあいさつした。
破れた鎌田氏は「私の戦いが市政を変え、加藤市政が一生懸命頑張ってくれることに期待したい。選挙での戦いを一生の思い出にしたい」と支持者に頭を下げると満場の拍手が沸き起こった。
開成町
開成町長選は現職の府川氏に元会社員の山本研一氏(61)が挑む、前回と同じ顔合わせとなった。
自民党推薦で牧島かれん代議士の全面支援を受けた山本氏は、前回落選から欠かさず議会傍聴を続け、政策を練り上げるなど首長への歩みを怠らずに続けてきた。その姿に支持が拡大したが上積みした票が現職を追い越すには至らなかった。
前回の獲得票3611票に対し今回は3975票に伸ばしたが、府川氏の4年間に目立った失政がなく、大井町の間宮町長や松田町の本山町長、秦野市の古谷市長など周辺自治体からの援軍も得た府川氏に軍配が上がった。
当選を受けて支持者の前であいさつした府川氏は「厳しい選挙戦だった。最後に逆転できてよかった。支持者や各市町の首長さんのおかげでもある。2020年に人口2万人を目指したい」と述べた。
18人が立候補した南足柄市議選では現職10人、元職1人、新顔5人が当選。定数12人に15人が立候補した開成町議選では現職3人が落選する波乱があった。
両市町の首長議員共に任期は4月30日から4年間。
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