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足柄版 公開:2016年7月16日 エリアトップへ

1市5町 連携して知名度アップ 各地の個性で「あしがら」価値向上へ

経済

公開:2016年7月16日

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府川栄一さん
府川栄一さん

 南足柄市、大井町、松田町、山北町、開成町、中井町の1市5町はこのほど、市町の枠を超えて圏域全体の活性化に取り組むため「あしがらローカルブランディング推進協議会」(会長・間宮恒行町長、事務局・大井町企画財政課)を設置した。地方創生による国からの交付金を活用して、来年3月まで観光プロモーションを展開する。

 足柄上地区の1市5町にはそれぞれの生活圏や地域の特性があり、各自治体が強い個性を放ち自立している。そのため「総体として誘客することは難しく、点在する観光資源をつなぎ合わせる必要がある」との調査結果もある。

 さらに国内外から年間約2千万人(2014年)が訪れる箱根町や、天守閣をリニューアルして年間500万人に迫る勢いの小田原市、2013年に世界遺産に登録された富士山にも囲まれた地の利もある。

 「東京圏」と位置づけられるこの地域では、地方と同様に若年層の人口流出による少子高齢化や人口減少の問題を抱える自治体が多く、それぞれが独自の施策に苦慮している。

 こうした状況を背景に1市5町は、国の「地方創生」を活用した地域間の連携強化の必要性を認識。昨年末に閣議決定された地方創生加速化交付金に着目し、広域連携で観光振興を図ることで首長が一致し、国に「あしがらローカルブランディング推進事業」を提案して採択を受け、事業費3600万円の交付を受けることが決っている。

次年度以降も

 これを受けて1市5町の首長は今年5月に推進協議会を設置。事務局を大井町が担いブランディング戦略を策定・実施する事業者の公募を7月6日に始めた。

 今後は8月上旬までに事業者を選定し、基本理念やターゲット地域、ターゲット層などを明確にした上でロゴマークなどにより「あしがら」のイメージを視覚化し、各種媒体による宣伝活動やイベント、モデルツアーなどを展開する。

 来年3月までの取り組みの中で箱根や小田原などとの連携を検討し、取り組みの継続につなげる考え。

「地域資源コレクター」も期待

 大井町金子に住む府川栄一さん(68)は2005年から10年以上にわたり1市5町を歩き、「1700以上の地域資源」を発掘してきた。これらの地域資源を「お宝」と呼ぶ。

 一級建築士の府川さんは2004年に難病の強直性脊髄炎と診断された。首や肩、腰などが硬直化し歩行が困難になり、痛みも激しい。この難病を患った頃から地域への思いが芽生え、新たなライフワークとして翌年から仲間たちと取材活動を始めた。

 2007年4月から14年5月まで、足柄上地域の暮らしなどを紹介する「ふるさと歳時記新聞」を発行。110号まで発行した後も今年7月の最新号まで「あしがら里山だより」を21回発行している。

 歳時記新聞をテーマごとにまとめた冊子「地域探訪シリーズ」も9編を刊行。各地域の風景や子どもの遊び、食文化などを幅広く紹介し、それらを巡るモデルツアーも数多く提唱し、オリジナルツアーも実施した。

 観音像をテーマにした取材では、1市5町にある観音像78体の一覧を作成し「七観音巡り」のコースもつくった。取材の中で山北町の香集寺にある「秩父三十四」、「坂東三十三」、「西国三十三」を一堂に会した「百観音石仏」の存在を探しあて紹介した。

 新聞報道で今回の「あしがらローカルブランディング」の取り組みを知った府川さんは「これまでの取り組みが活かせるので」と直感した。「いてもたってもいられなかった。機会があれば集めた地域資源を提供したい」と話している。

 これまで県や1市5町は様々な観光施策で連携してきたが決定打を放つまでには至っていない。地方創生による効果的な取り組みとその継続に期待が高まる。

左から杉山祐一中井町長、本山博幸松田町長、府川裕一開成町長間宮恒行大井町長、加藤修平南足柄市長、湯川裕司山北町長
左から杉山祐一中井町長、本山博幸松田町長、府川裕一開成町長間宮恒行大井町長、加藤修平南足柄市長、湯川裕司山北町長

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