「おやじの料理教室」の講師を務める 齋藤 邦雄さん 南足柄市塚原在住 79歳
やさしい指導心がける
○…南足柄市社会福祉協議会主催の料理教室は、長年続く人気の催し。自身が講師を務めるのは、この2月の開催で3回目となる。「教えることが初めてで、最初は不安だった」と話すが、指導を続けていくうちに楽しくなったという。それでも「これまで勘を頼りに作っていたから、調味料の分量を数値化するのが難しかった」と笑う。「包丁を持ったことがない人も多い。教えるのは基本的なことばかり。それでも、皆さん美味しく作ってくれますよ」と笑顔がはじける。
○…宮城県出身。この地域との縁は、昭和40年代の小田原・仲見世や志澤デパートでの精肉店勤務から始まった。その後、岩原ストアーで肉と総菜を扱う店を開き、沼田ストアーにも出店した。当時から来店客の意見を取り入れながら、味の調整を繰り返した。「宮城はもともと味が濃いので、最初は難しかった。味が薄くて不味いではいけませんからね」と振り返る。20年以上ものあいだ、地元の味として愛され、親しまれてきた。
○…「店をやめてから4〜5年、家で退屈していた。地元のボランティア団体に入会し、その縁で声をかけてもらえた」と講師を引き受けた経緯を話す。こんなエピソードがあった。「慌てず、ゆっくり、楽しんで」と声をかけた参加者から「おかげで上手に出来ました」とのコメントが寄せられた。モットーとする「やさしい指導」が浸透している。教室で作ったコロッケが大好評で、子ども料理教室でも扱われるようになった。
○…畑仕事と散歩が日課。キュウリ、トマト、ジャガイモなど収穫した野菜を料理教室で使うことも。塚原の自宅から関本の教室会場まで、徒歩で通うこともあるという健脚ぶり。ますます元気で、イキイキとした表情が印象的だ。
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