このほど松田町農業委員が改選となり、新委員が決まった。8人の委員の先頭に立つ会長は38歳の佐野晃一さん。県内でも最年少の会長就任となった。任期は2023年7月19日までの3年間。
農業委員会は、農地法に基づき、農地に関する業務を執行する行政委員会として設置されている。松田町の場合は、特に「地域の農地を守り、活かす」を基本とした活動を行っているという。
今では町でただ一人の認定農業者として、約14500平方メートルの農地でいちご、なす、きゅうりなどを育てている佐野さん。しかし、実家は農家でもなければ、自身もサラリーマン出身という異例の経歴の持ち主。農業のスタートは草刈り機とクワ一本から始まった。
家族からも猛反対を受けたが、自身の背中を押したのは、子どもの頃に見た美しい山や畑に囲まれたふるさと。専業農家が減少し、遊休地が増える中で少しずつ町から姿消した風景だった。そしてもう一つは、農業ビジネスとしての可能性だ。「松田町は山あり、川ありでとてもいいところ。もっともっと良くできるはず。農業で生活できる人を増やしたい」。自身は、いずれは規模を倍にして、観光と出荷と両方を併せ持つ農園を作りたいと夢を抱く。
「自分にできるのは、これまでにない発想と若さを生かした行動くらい」と語る横顔はエネルギーにあふれている。各地の勉強会や農業関連の会合には足繁く通い、横のつながりを広げている真っ只中。そこから得た知識を少しずつ町へと還元している。人の取り組みに学び、人の声を聴き、失敗を恐れない―。「自分は毎日一年生。だから夢を追いかけ続けたい」と話している。
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