子どものための国際音楽交流協会の理事長を務める 岩井 光祐さん 南足柄市塚原在住 72歳
音楽を通し世界に平和を
○…国内から善意で寄せられた「楽器」をルワンダやウガンダ、フィリピンやタンザニアなどの各国に寄贈する活動も今年で10年の節目を迎えた。「寄贈で終わりではなく、それをきっかけに交流が生まれればという思いでこれまでやってきた」。理事長を務める「NPO法人子どものための国際音楽交流協会」は、日本と外国の子どもたちが音楽を通して交流し、友好関係を育むことで世界平和の進展に寄与することをめざす。
○…東京都墨田区で生まれ育った。高校卒業後はスペイン・マドリード大学で学び、銅や鉛を扱う外資系の企業に就職、世界中を飛び回った。40歳の時に「山や川の近くで子どもたちと暮らしたい」と、南足柄に家族で引っ越し。PTA会長や自治会長など地域活動に精を出した。かつて仕事で訪れたことがきっかけになり、ペルーの小学校と岩原小学校の交流事業も行ったこともある。
○…自宅の倉庫は県内外の小・中学校などから集まった楽器でいっぱいになっている。今年は新型コロナウイルスの影響もあり、なかなか寄贈先へと足を運ぶことができないが、基本的に輸送時には自身も出向いていくことをポリシーとしてやってきた。そこには、楽器とともに心を伝えることを大切にしたいという思いがある。「楽器から始まる人と人との交流。可能性は無限大ですよ」とにこやか。
○…活動は音楽だけにとどまらない。特に「平和の輸出」は同会の理念でもあり、緊急自動車を発展途上国に無償で輸出する取り組みも行っている。過去には、南足柄市や松田町、箱根町から車両の寄贈を受け、つなぎ役として海外に引き渡した。「すべては世界の平和のために」。その目はいつも「全体」へと向けられている。
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