運転免許更新時、70歳以上に義務付けられている高齢者講習などについて、神奈川県警は5月から小田原フラワーガーデンと県立おだわら諏訪の原公園を会場に「出張開催」を開始した。受講待ち期間の短縮が目的で、県警によると県内では初めて。
高齢者講習は運転免許の更新や再取得する70歳以上が対象で講義や実車指導(普通自動車対応免許)などがある。加えて75歳以上は認知機能検査、一定の違反者は運転技能検査を受ける。
実施会場は自動車教習所や運転免許センター(横浜市)があり、受講や検査の予約を入れる必要がある。しかし近年、高齢者の増加に伴い、待ち期間の長期化が課題となっていた。
全国平均の2倍
県警察本部運転免許本部によると、高齢者講習の待ち日数は全国平均で28・7日で神奈川県平均は35・1日。さらに神奈川県西部は平均64・0日で全国平均と比べて2倍以上となっている(2023年3月末現在)。これまで運転免許センターで講習・検査の受け入れを拡大していたものの、県西地区からは遠方で利便性が悪いことから、県西地区で会場を設けて高齢者講習と認知機能検査を実施することにした。 5月に行われた出張講習には4日間で、約50人が参加。受講した男性は「講習受講場所の選択肢が増えるのは嬉しいこと」と話した。高齢者講習を担当している松田自動車学校の千村憲一社長は「県西地域では、買い物や通院に加え、農作業などもあり、高齢者でも返納が現実的でない人も多い。高齢化ということもあり、受講者は多い」と話す。同本部は「県西地域にお住まいの高齢運転者の方の利便性向上につながれば」とコメントしている。
今年度は同会場で9月までに毎月4日間実施する予定。予約、問い合わせは県警運転免許センター高齢者講習等予約専用ダイヤル【電話】0570・050・504(平日午前9時〜午後4時)。
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