箱根の環境省事務所が2ヵ月前からシカの目撃情報を集め始めた。町内ではここ数年シカが増えつつあり、詳しい数や、植物への影響などを把握するのが目的。専用サイトを作り、チラシ千枚を町内に配って情報提供を呼びかけている。
箱根では江戸〜明治期に狩猟でシカが減少したが、伊豆や丹沢で生き残った集団が増えたせいか箱根でも再び見られるようになった。 丹沢ではシカの食害で土壌流出などが深刻化。草がなくなると樹木の皮も食べられる。東丹沢ではヤマビル拡散の一因となっており、一部の登山道では湿地で休憩するだけでヒルが靴を這い上がり、靴下の隙間に入り込む。ゴムのように強靭で踏んでも死なない。
箱根ではこうした状況には至っていないが、仙石原湿原などには貴重な植物群落もある。同事務所では町内5カ所で植生の調査も始めており、10平方メートルほどの調査区画を囲んで、内側とシカと外側を比較。シカが食べる外側の方が植物の少なく、芦ノ湖西岸や三国峠付近では差が顕著という。また猟友会を通じてシカの血液サンプルも採取しており、DNAを通じて流入元も特定する構えだ。
詳しい結果が出るのはまだ先だが、同省や県、町ではすでに湿原を長い柵で囲むといった対策など検討している。高橋啓介所長は「植生が変われば昆虫にも影響し環境全体が変わってしまう。ひどくなる前に把握したい」と話している。
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