箱根町畑宿の山林(白銀山付近)で、4ヵ月ほど前にツキノワグマが現れたことが、このほど私立大関係者のセンサーカメラの画像を通じて判明した。データを整理していたところ、クマが写っていたことが判明、先月下旬に県側に連絡が入ったという。
箱根でのツキノワグマの目撃情報はゼロではない。27年には運転中の仔グマ目撃(元箱根)、ハイキング中(湯坂道)の糞の目撃情報が寄せられているが、爪で引っ掻いた痕跡など明らかな証拠が見つからなかった。隣市の南足柄市では5年前、千津島地区で仔グマが捕獲され、丹沢の奥地に放たれた事がある。
ツキノワグマは県レッドデータ(2006年)で絶滅危惧I類とされており、丹沢に約30 頭が生息していると言われる。丹沢など県の北側で遭遇や目撃例が多い一方、箱根以南の湯河原や函南、伊豆半島では断定的な情報がなかった。
クマのはく製などを展示する町立森のふれあい館(箱根)の職員は「クマは危険というイメージもあるが、ツキノワグマは植物を食べ種を遠くに運び、森を広げる役割もある。クマがいるという事は、その種を維持できるほど森が豊かなのでは」と話す。
大学関係者が県に提供した画像には、はっきりと黒いクマが写っている。仔グマではないとみられ、1頭か複数かどうかは不明。町は今月2日に注意を呼びかける看板を畑宿の清流公園近くに設置したが、ハイカーや観光客に積極的な広報はしていない。同課は「山に入る前に県のクマ目撃情報を確認し、鈴を鳴らすなど出会わないよう注意してほしい。ケースバイケースだが、万が一熊に出くわしても騒ぎ立てず立ち去る事が大切」と話している。
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