箱根近隣のシカの調査や清掃活動などを続けるNPO・小田原山盛の会が「箱根山地のシカの生息密度が急上昇している」と指摘し続けている。同会では23日 午後1時から小田原市役所横の生涯学習センターで「箱根山地のシカ対策強化」をテーマにフォーラムを開く。林業被害について仙石原野生鳥獣クリニックの柏木聰さんが調査報告するほか、湯河原町や箱根町など行政サイドの取り組みも発表する。参加は無料。
シカは食べる草木に選り好みがあり、増え続ければ貴重な植生に影響が出るのは必至だ。ススキ草原で知られる仙石原湿原も最近になり、金網で囲まれた。
シカの総数を正確に把握するすべはないが、同会の調査で林道やゴルフ場周辺など、出没しやすい「ホットスポット」があることが分かってきた。町内の猟友会員や観光関係者に取材しても「数は増えている」という声がほとんど。足柄下郡3町などに会員を擁する小田原森林組合によれば「増加したのはここ2〜3年」。植林した若い木を好み、先端から食べたり、大樹の幹にも角をこすりつけて傷めてしまう。
過去にシカの増加で注目された丹沢では、下草が減り各地で土がむき出しになった。現在は管理捕獲に加えて至る所にシカ除けの金網が設置されているが、箱根に柵は少ない。外輪山の北側、長尾山の尾根ではすでに下草や低木が減るなど丹沢に似た光景が広がる。それでも一般人には「食圧」による変化や影響は分かりにくく、話題にのぼらない。同会の川島範子さん(60)は「観察会などで伝え続けるしかない」と話す。
植生保護柵の設置とともに重要なのがシカ捕獲態勢の充実だ。小田原では昨年9月に、わな猟に取り組む市民団体「おだわらイノシカネットワーク」が発足。現在は女性や高校生などの若手を含め20人規模となった。山中に仕掛けたわなを見回り、かかっていたら電気ショックでおとなしくさせ、放血して解体する。本格的な狩猟だが、チームで動く事もあり敷居は低い。
山盛の会ではシカを「誘引する」試みも始めている。昨年から小田原市内の畑にシカがよく食べる常緑樹のアオキを植えてカメラを設置したところ、6ヵ月で400回以上もシカの姿が撮影された。アオキは枝まで食べる大好物と分かり、捕獲効率化のため、すでに猟の現場で活用され始めている。
![]() 小田原の「誘引」地に集まったシカ(山盛の会提供)
|
箱根・湯河原・真鶴版のローカルニュース最新6件
求人特集sponsored by 求人ボックス
| |
| |
介護職/ヘルパー/介護付き有料老人ホーム/介護職/夜勤専従/Wワーク可能ALSOK介護 株式会社 介護付有料老人ホーム すこや家・真鶴 神奈川県 真鶴町 日給2万860円~2万2,000円 アルバイト・パート | |