箱根町強羅で1年ほど前に保護された猫たちが今もボランティアの手で飼育されている。旅館の廃業とともに餌を与えていた従業員たちは姿を消し、最終的に数十匹ほどに増えた猫が置き去りになった。当時の関係者によると、従業員の間に「大変なことになる」という認識はあったものの、無責任飼育は変わらなかったという。
現在もシェルターで里親探し
「すごい数の猫がいる」「何とかしてくれないか」2014年の大晦日、近隣住民や元従業員からの電話を受けて現地に向かったのは、小田原の3つの動物保護団体の6人だった。数十匹いたうち、現地に残っていたのは15匹ほど。目やにや鼻水を流す猫や糖尿の猫、片目を失った猫などが周辺をさまよっていた。
保護にあたったメンバーは「箱根強羅猫レスキュー」を結成。すべての猫を捕獲し、病院で避妊去勢手術を施した後、二宮町の住宅の一部屋を借りて新たな飼い主探しを始めた。
ボランティアにとって、こうした事例は初ではなかった。湯本では5年前に個人による多頭飼いが破綻、ボランティアが15匹を保護して不妊去勢手術した経緯があり、宮城野では猫たちに餌やりを続けた結果、イノシシを呼び寄せてしまった事例もあるという。
箱根町では町内在住者の飼い猫の手術代の一部補助に年間8万円を計上。昨年は16件の利用があった。「手術がかわいそうという人もいるけれど、それが猫を苦しめる。手術しないなら最期まで部屋の中で飼うべき」とメンバーは話す。1年が過ぎた今も「シェルター」には5匹が暮らしているが、子猫と違ってなかなか飼い手は見つからない。人慣れが不十分な猫もいる。餌代などはネットを通じた寄付でまかなっているものの、個人宅を借り続ける訳にもいかず、存続が厳しい状況だ。
里親探し中の猫の詳細などはネットで「箱根強羅猫レスキュー」検索を。
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