木の葉が落ちきった冬は、野鳥観察には絶好の季節。秦野市内でも珍しい野鳥の姿が見られている。
赤松の中にイスカはだの野鳥の会「初めての観察」
はだの野鳥の会の八木茂会長が2月5日、塔ノ岳へ登山中に野鳥イスカを観察した。イスカは神奈川県内で観察されることは稀で、40年間観察を続けている同会では初めての観察だったという。
イスカはスズメより少し大きな鳥で、オスはオレンジ色で翼と尾が黒褐色、メスは黄褐色で淡く黒い縦班がある。嘴が大きく下に曲がり上下が食い違っているのが特徴だ。
八木さんは表丹沢でアカマツの実を食べている姿を見て、カメラを向けた。「10羽ほどが枝に留まっていた。ぶら下がって松ぼっくりの中に嘴を入れて食べている姿も観ました」と八木さんは振り返る。
帰ってから図鑑で確認し、イスカだと確信。秦野ビジターセンターに問い合わせたところ丹沢で見た事はないと言われたという。
モズが手乗り平沢の安藤さん宅の庭先で
小枝などに獲物を串ざしにする「はやにえ」で知られる野鳥、モズ。秦野市平沢の安藤孝太郎さん(69)の家の近くに昨年11月頃からメスのモズが通っている。
モズは安藤さんが家のそばで畑仕事をしていると近くの枝に留まって「チッチッチッチッ」と鳴く。安藤さんはそんなモズを穏やかな表情で見つめ、土を耕し、掘り起こした土の中に虫やミミズを見つけると、それを手に乗せ「おーい」と呼ぶ。すると、モズは近くの枝から素早く飛んで来て、一瞬だけ指先に留まりミミズを咥えてさっと飛び去る。
そんなことを毎日のように繰り返すうち、モズは恐れることなく畑仕事をする安藤さんの足元に降り土の中の虫を探したり、長い間あたりにそばにいたりするようになったという。妻の照子さん(66)は「心を許しているみたいで、羽根を振るわせてうちの人とお話しているの」と笑う。
照子さんの知人で、自然観察施設くずはの家の小泉俊江さんは「野生のモズが人の手に乗り餌をもらうのはとても珍しい。鳥を自然にあるがまま親しもうと日本野鳥の会を創始した中西悟堂さんの言葉に通じるものがある」と話した。
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