2017年から2回、実証運行された鶴巻温泉駅北口と大山ケーブルを結ぶ路線バスが、今年から秋季限定で正式に運行されることが決まった。日程は10月5日から12月1日で、土・日・祝日の大山ケーブル発3便のみを運行する。
バスの運行は、伊勢原駅に加え鶴巻温泉駅を年間約96万人が訪れる大山のもう一つの玄関口にすることが目的。秦野市は路線バスを運行する神奈川中央交通(株)や大学教授、鶴巻地区住んでよかったまちづくり協議会らで「秦野市観光地交流活性化協議会」を組織し、2016年度から事業計画を進めてきた。
運営費には国の地方創生推進交付金が充てられ、2016年度に約1396万円(国:市=1:1)、2017年度に約2500万円(国:県:市=2:1:1)を投じてきた。2018年度の決算については集計中だが、前年に比べやや少ない金額を同様の割合で国・県・市で負担したという。
2016年度には観光客や無作為に抽出した市民などにアンケートを取り、鶴巻温泉に来る目的や需要を調査。翌年度の11月3日から2月4日までの土・日・祝日のみ計30日間の実証運行を初めて行った。
この際、1便あたりの乗車人数が12・3人だったことなどから、収益を考え2018年度は減便。10月27日から12月2日の土・日・祝日、大山ケーブル発の1日3便のみに絞り13日間で1144人、1便あたり29・3人という結果を得て、今年度の運行の詳細を決定した。
事業内容に関しては利用者数だけでなく、観光客数の増加、年間訪問割合などについてのデータを解析し、検討したという。今は飲食店などの受け入れ態勢についての対策が課題となっており、地元の商店会、温泉組合、自治会、秦野市で組織する「鶴巻温泉観光客受入環境検討会」では引き続き協議していく。
行者おむすび再始動目指す
また、地元では2016年に販売し注目を集めた「行者おむすび」の再始動を検討している。丹沢や大山の修験者が山中で持ち歩いたという竹皮に包んだおむすびからヒントを得た「行者おむすび」は製造場所の問題などで販売を中止していたが、鶴巻温泉駅北口ロータリー前に新規オープンした飲食店が製造場所に決まり準備が進んでいる。鶴巻温泉駅発のバスがないため、現在は販売場所や提供方法などを模索している段階だという。
秦野版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|