新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、マスク着用などが日常となっている今夏。秦野市内ではすでに17人が熱中症とみられる症状で救急搬送されている。”ウィズコロナ時代”の熱中症について、秦野市消防署は注意を呼びかけている。
秦野市消防署消防管理課によると、7月20日15時までに熱中症とみられる症状で救急搬送された人数は17人。昨年同時期より10人上回っている。
主な症状は体のしびれや倦怠感、吐き気、動悸などで、軽症は13人、中等症は4人。
自宅を含む屋内で発症したケースが11人と、6割以上を占めているのも特徴。また搬送者のうち65歳以上の高齢者は11人で、全体の6割以上だった。高齢者は発汗機能などが低下しているために熱中症に気づきにくいことも多く、同課高橋陽一課長は「エアコンなどを活用して室温を28℃以下にするなど、こまめな換気と温度設定をして欲しい」と話す。
適切なマスク着用を
今年の夏は例年の予防以外に、新型コロナウイルス拡大防止策との両立が求められる。
特に注意が必要なのは、マスクの使用時。高温多湿になると、体内に熱がこもりやすくなるほか、マスク内で湿度が高くなるので、のどの渇きを感じにくくなるという。同課は対策として、屋外で人との距離が2メートル以上確保できる場合は、適宜マスクを外すこと、のどの渇きがなくてもこまめな水分補給を呼びかける。
熱中症の症状が出た場合の対処法として、同課は「首筋やわきの下、太ももの付け根などを保冷剤や濡れたタオルで冷やして。正常な反応でないときや全身がけいれんを起こした場合は、すぐに救急車を呼んで」とコメントした。
さらに4月の緊急事態宣言を受けて外出を控えた影響で、体が暑さに慣れていないために熱中症を発症しやすくなるため、少しずつ暑さに体を慣れさせる「暑熱順化」という方法も予防の1つになるという。
同課は「気温が30℃を超えると、熱中症の救急搬送が増加傾向にある。例年とは違う生活環境になった今年は、屋内でも十分注意して予防を」と呼びかける。
シェルターやアラート活用も
熱中症対策で環境省と気象庁は、熱中症リスクが高まる日の前日や当日に発表する「熱中症警戒アラート」を、7月から関東甲信1都8県で試行的に開始した。アラートは観測地点で一定以上の「暑さ指数」が予想された際に前日の午後5時頃と当日の午前5時頃に発表される。秦野市では緊急情報メール配信システム登録者に、発表があった際に配信される。
また市内公共施設と協力店舗で暑さから身を守る一次休憩場所「クールシェルター」を9月30日(水)まで設置し、市民に提供している。
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