画家で絵本作家の舘野鴻さん(堀西在住)が、9月14日に新作絵本『がろあむし』を偕成社から出版する。長年、生態の観察を続けたガロアムシの一生を描くとともに、新たな表現に挑戦した意欲作となっている。
精密な動植物のイラストを描き図鑑や児童書、解剖図プレート等の生物画を手掛けるほか、文章から作画、デザインまで自ら行う絵本も出版する舘野さん。2017年には絵本『つちはんみょう』で小学館児童出版文化賞を受賞している。環境に関する調査や環境保全活動などフィールドワークも行い、この観察から精密なイラストが生み出されている。
今回のガロアムシも、相模原市の相模川沿いにある崖が風化してできたガレ場で何年も生態を観察。人の日常の下に広がる地下世界で、一つの小さな命が生まれてから死ぬまでを描いた。
今作ではこれまで曖昧にしていた「死」を初めて明確に描いたほか、「舘野鴻=精密な昆虫画の人」というイメージ脱却のため、「人」もテーマに組み込んでいる。これを表現したのが、完成に3カ月半かかったという最後のシーン。緻密な取材のもと物語の始まりとの対比で描き、見る人に解釈を委ねている。
今作品は出版社をまたいだ3部作の1作目で、2作目以降の制作も現在進行中。「今は転換期にきていると思う。自分の可能性を狭めず、色々なことに挑戦していきたい」と展望を語った。
価格は税別2千円。近くの書店にない場合は取り寄せ可。書籍の問い合わせは偕成社【電話】03・3260・3229へ。
今後は『がろあむし』絵本原画展が東京・神奈川の各地で企画されており、12月11日(金)から17日(木)には秦野市内のぎゃらりーぜんでも開催する。
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