令和2年の宮中行事・新嘗祭に秦野から米と粟が献上される。JAはだのの山口政雄代表理事組合長は「収穫の恵みに感謝することは、古くから行われてきましたが、今回は大変貴重なお話をいただきました。秦野の地が育んだ米と粟を献上することができて、とても喜ばしく思います。心を込めて栽培してくださった方々にも深く感謝いたします」と喜びを語った。
「身に余る光栄」
米の献穀者に選ばれた原郁夫さん・恵美子夫妻は、「皇室に献上できる機会をいただけたことは、生産者として大変名誉で身に余る光栄です」と話す。原さんは鶴巻で代々続く農家。この栄誉は脈々と受け継がれてきた農業を営む家に与えられたもの。皇居に献上にあがるときには、両親の写真を懐に入れて一緒に参内しようと思っていたという。そんな想いを語る夫妻の眼には感謝の想いに光るものがあった。
献穀の依頼が来たのは春先のこと。以来入念に準備を進めてきたという。米の育成にあたっては、我が子を育てるがごとく慈しみ大切に育てている原さん。今年はことに一層身を引き締めて稲の育成を見守ってきたという。育てている品種は神奈川県の奨励品種となっている「はるみ」。今年収穫した米はすべて1等の評価を受け、収穫した中からさらに良いものを選別したという。
献穀には詳細な決まりがあり、献上する際の桐の献上箱や米をいれる木綿のさらし袋、絹の袋、絹製の風呂敷などの準備などが必要となる。米の育成以外にも万全を期してきた。
例年であれば直接皇居に献納するが、今年はコロナ禍でそれは叶わなかった。原さんは「このような年だからこそ、特別な献穀になった。今年は生産者として万感胸に迫る年だった」と思いを噛みしめながら話した。
希少な粟 栽培「実る」
出雲大社 相模分祠(秦野市平沢)の草山清和分祠長と、同神社の崇敬者有志の手によって栽培された粟が、今年の新嘗祭に際し、皇室に献上された。
近年は県下での粟の生産者は少なく、昨年の大嘗祭でも、神奈川県から粟の献上は行われていなかった。今年はJAはだのが米と粟の担当で、草山分祠長が初めて栽培した粟が選ばれ、収穫時期を迎え、たわわに実った粟穂が収穫された。
10月1日に宮内庁掌典職から認可されたのち、ていねいに精粟。そのうち5合を同神社と、隣接する御嶽神社で奉告祭を執り行ったうえで、献上された。本来であれば生産者自ら宮内庁に赴き献上しているが、今年に関しては新型コロナウイルス感染症の影響受け、郵送での献納となった。
「全国の神社では新嘗祭は最も大事なお祭りの一つと考えられていて、この時期に合わせ、その年に収穫された穀物をご神前にお供えして、神恩感謝の祭事を行います」と同神社では話す。自身が育てた粟が献上されることになったことに関して草山分祠長は「大変に名誉なことで、嬉しく感じている。粟は日本古来より米や麦と並び五穀として重宝されてきた歴史がある。現在はミネラルや食物繊維を多く含み、米と比較し低カロリーなことから見直されている。今後も栽培を続けたい」と話す。
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![]() 一粒一粒ピンセットで選ぶ。米の選別作業に臨む原夫妻
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![]() 神殿で執り行われた奉告祭
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