女性特有のがんで、乳がんに次いで多いのが子宮頸がん。日本で推奨されている子宮頸がん検診の対象は20歳以上の女性だが、特に20〜30歳代の検診受診率が低いことから50歳未満での子宮頸がん罹患率が先進国の中で高くなっているという。
市民の健康促進のためにがん検診の受診率向上を推進している秦野市は、職域での受診機会の少ない女性特有のがん検診に重点を置いている。12月13日のレディスデーを前に、子宮頸がん検診について平井規之医師に話を聞いた。
子宮頸がんは誰にでも起こる病気
子宮頸がんは発がん性HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染によっておこる病気で、性交経験のある女性の約80%が一度は感染したことがあり、2〜3年で自然治癒するという。
「HPVは100種類くらいあり、そのうち子宮頸がんの原因となるのは15種類の悪玉・発がん性HPV。子宮頸がんはとくに20〜30歳代で急増している。がんといわれるものの中で、子宮頸がんだけが原因がわかっていて、予防ができるがん。肉眼で検体を採取出来る子宮頸部のがんのため、早期の段階で発見でき、妊娠・出産の力を残した状態で治療が可能な疾患」と平井医師。
早期発見で撲滅可能と考えられているがん
しかし日本は海外にくらべても、子宮頸がん検診をうける率が低いのが現状。一昨年のデータでみると、がん検診の受診率は47%。しかしアメリカの受診率は80%、ヨーロッパ、韓国は70%を超えている。「現在日本では、子宮頸がんの予防のワクチンも接種が控えられている状況。受診率も低く、海外にくらべて日本がいちばん、子宮頸がんについては後進国になっている」と現状を憂慮する。
市の子宮頸がん検診は2年に一度。2019年度の対象者数は6万7426人で受診率は10・2%だった。
「人間ドックや企業内検診とかを含めても、秦野市は他市にくらべても受診率が少ないのではないかと思う。20歳を迎えた人に配布される無料クーポン券の利用率も約5%。子宮頸がんになる前の異形成の段階で発見できるので、ぜひ受診してほしい。撲滅可能と考えられているがんのため、検診を受ける人が少ないのは本当に残念なことです。自覚症状が出た場合には進行している。自覚症状が出る前に検診を受けてほしい。結婚、出産の年齢があがっているから、その前からかかりつけの婦人科をもっていれば健康管理につながる。婦人科は10歳(初経)から60歳(閉経から10年)くらいまでの健康管理をしている。だから気軽に検診を受け、心配ごとは相談を」と呼び掛ける。
今年度検診対象者への検診受診券は送付済み
子宮頸がん検診の受診促進を図るため、20歳を迎えた人には「子宮頸がん検診無料クーポン券」が送付されている。
2020年度の検診無料クーポン券は対象者へすでに送付済み。受診券の有効期限は2021年2月28日まで。施設検診(医療機関)は予約制となっているため早めに連絡を。
また、12月13日(日)はレディスデー。子宮頸がん集団検診を女性医師が担当する。レディスデーと無料クーポン券についての詳細・問合せは市健康づくり課【電話】0463・82・9603へ。
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