秦野市は東開戸(ひがしかいと)遺跡から出土した琥珀大珠(たいしゅ)2点と翡翠大珠1点を、12月18日付けで「秦野市指定重要文化財」に指定した。この大珠3点の大きさは、国内最大級のものとなっている。
東開戸遺跡は1992年に調査が行われた、秦野市下大槻の金目川右岸台地上、平塚市との市境にある遺跡。およそ4000〜5000年前の縄文時代中期の集落や、古墳時代後期から平安時代の遺構や遺物が発見されている。縄文時代中期の遺構については、中心にある墓地から琥珀の大珠2点と翡翠の大珠が出土した。大珠はいわゆるペンダントのことで、当時は権威の象徴だったと考えられている。そのため、縄文時代の指導者的な存在である族長や、呪術師、巫女などの持ち物ではないかと推測されるという。
今回、市重要文化財に指定された琥珀は、1つが長径6・2cm、短径5・4cm、厚さ3・4cm、重さ63g。もう一方が長径6・0cm、短径4・0cm、厚さ3・9cm、重さ41gとなっている。翡翠は長径6・5cm、短径4・1cm、厚さ2・45cm、重さ140g。いずれも国内最大級の大きさとなる。
翡翠は糸魚川市周辺、琥珀は銚子市周辺からもたらされたものと考えられ、特に琥珀大珠は神奈川県内の縄文時代の遺跡からの出土例は他にない。市生涯学習課では、「当時の交易や流通を考える上で重要、かつ貴重な資料」となっていると話す。
出土当初から文化財としての価値は高く、秦野市は詳細な調査結果が出るのを待っていたという。このほど、報告書が提出されたことから、2020年12月定例秦野市教育委員会議の中で審議。議決を経て、3点を秦野市指定重要文化財にすることが決まった。重要文化財の指定は、2018年の東光寺山門(南矢名)以来で、37件目となる。
現在、はだの歴史博物館(堀山下380の3)で3点の展示を行っている。午前9時から午後5時(入館4時半まで)、入場無料。問い合わせは【電話】0463・87・9581へ。
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