秦野市が、伊勢原と松田にあるジビエ処理加工施設と契約し、「秦野産ジビエ」の本格展開を開始した。鳥獣対策で施された里山の罠など、市内で捕獲されたシカやイノシシを契約施設に迅速に搬入・加工することで新たな秦野産ブランドを生み出していく。
秦野商工会議所観光飲食部会によるジビエ料理セミナーやレトルトの「秦野もみじカレー」開発、鶴巻温泉駅周辺の「猪鹿鳥つるまきジビエキャンペーン」など、市内ではジビエのブランド化に対する動きが活発化していた。しかし秦野にはジビエの処理加工施設がなく、肉は近隣でとれたものを仕入れていた。
一方、市農業振興課によると昨年市内で捕獲されたシカやイノシシは300頭以上(市=シカ19頭・イノシシ20頭/JA=シカ89頭・イノシシ208頭)。ジビエにするには2時間以内に施設に搬入しなければならないため、これまでは捕獲されたものは埋葬や焼却、自家消費等で処理されていたという。
各所と連携体制強化
これを商用活用するため、6月に伊勢原市の阿夫利山荘と、松田町のしおやジビエ処理場と契約。市で捕獲したシカやイノシシを迅速に搬入し、解体・パッケージングできる体制を整えた。
7月1日の開始以降、状態が良かったシカ2頭がすでに施設に搬入されている。パッケージには「秦野産ジビエ」のステッカーを貼り、ブランド肉としてPRする。
肉の販売は、しおやジビエ処理場のほか東海大学前駅の「生鮮ショップ旬」(南矢名)と渋沢の「肉の松屋」(曲松)も窓口に。旬と肉の松屋では事前連絡で仕入れ状況を確認すれば、一般の人も購入できる。
今後の展開として市農業振興課では、販売や料理の提供に協力してくれる店舗の拡大を行うとともに、販促ツールによる周知を予定している。また、商工会議所のジビエカレーや鶴巻地区のジビエキャンペーン、市観光振興課、JA、じばさんずなどとの連携も検討していく。他にも、肉の松屋が店頭でのスライス販売やカツへの加工を検討するなど、早くも個々の動きもあるという。
現状は試行錯誤の段階で、今年度はブランディングを推進するとともに市場の需要調査も同時に行っていく。「安定的な供給と販路を確立することで”秦野産ジビエブランド”を展開し、観光資源として活用していきたい」と同課の担当は話している。
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