航空機から釣り竿まで、様々な分野で利用されている素材「カーボン」。カーボンファイバーを使ったものづくりで実績を上げる企業が、市内に存在している。T―one(ティーワン)は2011年松本哲也さんが設立した企業。これまでに「スーパーGT」など世界最高クラスのカーレースにカーボン製のパーツを供給してきた。代表取締役の松本さんは「わが社はカーレースという結果に直結するシビアな世界で切磋琢磨してきたことで、カーボンファイバーの分野で屈指の技術力と経験値を誇ります」と胸を張る。
同社ではカーボンの可能性を追求する中、これまで競輪選手に愛用されるシューズなど、新たな分野への進出の道を模索してきた。
カーボンをフィギュアの靴に
そんな中で新しい取り組みとして研究を重ねてきたのが、フィギュアスケート靴の開発だ。元々会社員時代にスピードスケート靴の開発に携わってきた経験を持つ松本さん。「革の代わりにカーボンの特徴が生かせるのではないか」と発想。スピードスケートに関わっていた会社員時代に知り合ったオリンピック金メダリストの清水宏保さんから紹介され、フィギュアスケーターの小塚崇彦さんと共同でフィギュアスケート靴の開発をすることになった。2020年には新型コロナウイルス感染症の影響によりメインとしてきたカーレースが中止となるなど、逆境の中、靴の研究開発の機械を新たに導入し、プロジェクトが一気に加速した。
開発費用捻出のために始めたクラウドファンディングでは当初目標としていた300万円をはるかに超え、314人から500万円を超える資金が集まった。
「ビジネスとしても成り立つことが重要」
プロフィギュアスケーターの協力を得てブランド「Tobiha」(トビハ)を誕生させ、現在も開発は進められている。「フィギュアスケート靴史上最高の軽さを追求しました。2022年4月から5月頃には、発売に関する発表をしたい。いずれはトップの選手に履いてもらい、オリンピック金メダルを狙いたい。一方企業として自社製品がビジネスとして成り立つようにしなければならないと思う」と情熱的な口調で話した。
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