文化審議会は1月20日、同審議会文化財分科会で「大山こまの製作技術」を「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に選択することについて、文化庁長官に答申した。選ばれれば伊勢原市では初で、県内でも箱根の湯立獅子舞や大磯の七夕行事に引き続き、9例目となる。
大山こまは近世中期から盛んとなる大山詣りの土産物として知られ、よく回ることから家内安全や商売繁盛の縁起物として参詣者に買い求められてきた。ミズキなどを原材料として作られるが、他の地域で製作されるこまと異なり、芯棒が太く長く、全体に丸みを帯びた重厚な形が特長。2017年には伊勢原市指定文化財になっている。
こまの製作技術は、ろくろの回転を利用して削り成型していくが、芯棒の調整など木地師(きじし)と呼ばれる職人の熟練の技術が必要とされる。審議会では「熟練の技術が必要とされ、地域的特色が顕著であり、我が国における挽物(ひきもの)や木工品製作の技術を理解するうえで重要である」としている。
また職人の高齢化から技術の伝承が難しく、同市が認定した「大山こま製作技術認定者」と呼ばれる職人は現在5人。職人による「伊勢原市大山こま製作技術保存会」の代表・金子吉延さんは「昔の人たちから受け継いできた技術が認められて嬉しい。実際に今も製作しているのは2、3人。技術の伝承には後継者の育成がカギ。大山こまが無くなってしまわないようにこれからも努力を続けたい」と語った。
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