上秦野神社(守屋忠宮司・秦野市菖蒲1417)に保存されている木製プロペラが、大正時代のものであったことがこのほど秦野歴史おこしの会メンバーによる調査で明らかになった。4月23日(日)には見学会が行われる。
同神社の守山和枝禰宜によると、この木製プロペラは先代宮司の時代にはすでに社殿内にあったそうだが、詳しい資料は残っていないという。2021年11月に木製プロペラの存在を知った同会メンバーの申し入れにより調査を実施し、中央部分の刻印から、1923年(大正12年)7月に製作されたものであることがわかった。
木製プロペラは全長2・5m。素材は明らかではないが一枚板ではなく、木材が7層に貼り合わせられているという。また、中央部には製作年のほか「ニ式29型 イ式300馬力 14 友」という刻印が読み取れる。同会の岩田宇一さん(堀西在住)によると「陸軍が発注したフランス製の戦闘機が『甲式四型戦闘機』。この戦闘機のライセンスを大正時代に中島飛行機という国内企業が取って製造したものを『ニ式29型戦闘機』と称しています。イ式も陸軍が使用していたことから、陸軍戦闘機のプロペラではないか」と推測できるそうだ。
今年は製造から100年を迎えるため、「貴重な資料を多くの人に見てもらえる機会を」と同会が相談し、同神社、氏子総代会(熊澤嘉孝代表)、同会の共催により見学会が実現した。
見学会は午前10時から午後4時まで。当日は歴史おこしの会メンバーらが常駐し、説明などもしてくれるという。同会では「航空機草分けのプロペラを見ていただき、航空機産業の技術進歩を実感していただければ。また、このプロペラに関する情報もお待ちしています」と話している。
![]() プロペラ中央部分に刻印された文字。「ニ式29型イ式300馬力14友」「大正12年7月製作」とある
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