新東名高速道路新秦野インターチェンジ(IC)-伊勢原大山IC間開通から1年が経過したのを受け、NEXCO中日本東京支社(東京都港区/松井保幸支社長)がその整備効果を発表した。同社によると、インターに近い観光施設とその周辺の来訪者数増などの効果が表れているという。
観光客が増加
NEXCO中日本によると、昨年4月16日の新秦野IC-伊勢原大山IC間開通により、東名と新東名を繋ぐ伊勢原ジャンクション(JCT)-伊勢原大山IC間の交通量が1日あたり5千台以上増えている。出発地別の来訪者数で見ると、湘南地域が12%、横浜・川崎地域が14%、埼玉県が20%の増加となった。
周辺観光施設も秦野丹沢スマートIC(SIC)から近い県立秦野戸川公園や周辺の観光農園、表丹沢の玄関口である大倉、田原ふるさと公園付近の来訪者が増。新秦野ICに近い松田町寄も来訪者が増えた。
これ以外も東京IC-大井松田IC間の車線規制を伴う東名集中工事期間中、新東名の交通量が平均交通量と比較し1・2〜1・3倍に増加している。これは東名利用者が新東名で工事を回避するなど状況に応じた柔軟な経路選択が可能になったことを示している。
物流・救急が時短へ
また、アクセス性向上による物流の輸送効率化も向上。秦野丹沢SIC付近の工業団地では新東名活用で秦野市内の渋滞を回避でき、海老名JCTまでの所要時間が約12分短縮された。市産業振興課によると企業進出に係る問い合わせが増加しており、今後は戸川産業利用促進ゾーンの整備に向け準備を進めていく。
新東名開通は、秦野市内から三次救急医療機関への搬送にも効果が表れている。NEXCO中日本によると、開通前は42分かかっていた上公民館から東海大学医学部付属病院への搬送時間が、23分に短縮。30分以内の搬送可能圏域の人口が約7・3万人増加した。市内全体の救急出動割合の3割を占める市消防署西分署は新秦野ICに最も近い救急拠点のため、新東名での出動に対応するために2020年4月から救急隊を増隊。新東名開通は秦野市西部の救急医療にも寄与している。
全線開通に向け
NEXCO中日本では、新東名最後の開通区間となる新秦野IC-新御殿場IC間の工事を行っている。同区間は全線にわたり橋梁やトンネル工事がある難区間。高松トンネルの掘削で脆弱な地山や断層破砕帯が確認されたため、地山に適した対策工事を慎重に進めている状況で、同社では全線開通時期を「2027年度の予定」と昨年12月に発表している。
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