ひろはたこども園と秦野市消防署大根分署が8月9日、初の合同訓練を行った。今回は食事中のアナフィラキシーショック、気道への異物混入による窒息、昼寝中の意識障害の3パターンを想定。こども園職員の対応や、消防部隊への引継ぎなどを確認した。
同訓練は他県の保育施設で食事中に窒息する事案が相次いで発生し、様々な状況に備える必要があること、秦野市では軽症の意識障害の割合が多くを占めているが、重症化のリスクもあることなどから、被害を最小限に抑えるため行われた。
事前の講習会を経て、当日の訓練に臨んだこども園職員約30人のほか、園児26人も参加した。
はじめに5歳児のクラスで食事中にアナフィラキシーショックが発生したと想定。以前にもアナフィラキシーを発症しており、医師から処方されたエピペンを職員が預かっていたと仮定して訓練が行われた。
こども園職員は園児役の消防職員の異変を察知し、職員室に連絡して、他の職員の応援を要請。一緒に食事をしていた園児らを隣の部屋に避難させると同時に、119番通報を行った。消防部隊を待っている間、職員は緊急時用にあらかじめ備えているチェック表を使い、園児の症状やエピペンの使用時間、その後の様子の変化などを記入。消防部隊が現場に駆けつけると、その表をもとに説明を行った。
続いて、同じく食事中に喉に物を詰まらせて窒息状態になり意識がなくなったパターン、3歳児保育の昼寝中に様子がおかしくなり意識障害が起こったパターンで訓練を実施。気道の確保やAEDを使った救命など、本番さながらの緊張感で行われた。
成果踏まえ対応見直し
同園では、年間を通して園児を交えた避難訓練や、応急手当普及員の資格を持つ職員を中心とした講習などを園内で行っているが、実際に消防本部と合同で実施するのは初めて。訓練に参加した保育士の尾崎真理子さんは「緊張から焦ることも多かったので、改めて職員同士で声を掛け合うことが大切だと感じた。消防の方に想定していたこと以外の内容を質問されることもあったので、チェックリストの見直しも図っていきたい」と話す。山本宏美園長は「日頃から園児の健康と安全を守ることを第一に考えているが、万が一の時は正確な情報を把握して、救急隊にきちんと伝えることの重要さを体験できたのは良かった」と感想を述べた。
訓練を終え、谷和之消防署長は「今回は子どもたちにも参加してもらったので、救急意識を学んでもらえる機会となったと思う。情報提供能力の向上、こども園と消防の連携が確認でき、非常に有意義な合同訓練になったと思う」と話した。
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