はだの歴史博物館(秦野市堀山下380の3)が、今年11月に開館から3年を迎える。前身施設である桜土手古墳展示館から展示内容などを変更し、市民の興味を引くための企画展などの取り組みが功を奏し、3年で着実に来館者を増やしている。
はだの歴史博物館は、桜土手古墳展示館開館30周年の節目である2020年11月にリニューアルされた。桜土手古墳群や考古学専門の展示から、秦野の歴史・文化を紹介する総合的な歴史博物館に刷新。展示室も倍の2部屋に増やし、春・秋2回だった企画展も4倍の年8回に増やした。
常設展示は桜土手古墳群に加え、奈良・平安時代から江戸時代や秦野耕作、近代など総合的な秦野の歴史を増設。展示室で行う企画展も、いかに来館者の興味を引くかを考え実施している。
同館によると昨年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」関連の展示や、今年の関東大震災100年に関するものなど世間の関心が大きい企画は来館者が多かったという。また、企画展の数が増えたことでバリエーションも増え、久しぶりに実施した縄文式土器の展示に多くの愛好家が訪れるなど、緩急がつけられるようになった。
リニューアル前の3年間(17〜19年度)の年間入館者数は、概ね3万人前後。開館当初はコロナ禍の影響を受けていたが、21年度は約4万1千人、翌22年度約4万3千人と来館者は1万人強増えている。企画展実施期間の来館者数もリニューアル前より増加傾向にあり、「企画展も来館者増の一因なのでは」と、同館では分析している。
新たな取り組みも
博物館になる前の13年度に市史編さんの部署が統合されたのも、一つの転機になった。これにより桜土手古墳展示館と市史編さんが所有していた資料・文献が一カ所に集まり、歴史的資料の幅が広がった。また、6万点ほどある未現像の膨大なネガフィルムも集まり、同館では未現像のネガフィルムのデジタル化も並行して進行。デジタル化により資料の検索・作成が容易になり、出張展示という選択肢も広がった。直近では中学生に向けた西公民館での展示や、より一般市民の目に留まりやすいイオン秦野ショッピングセンターで実施している。
また、この写真を映像化し館内のスクリーンに流したところじっくり観賞する高齢者が増加し、滞在時間増につながった。他にも桜土手古墳公園で市内飲食店の出店をイベント的に行うなど、より市民に身近に感じてもらえる施設づくりの取り組みを行っている。
今後、リニューアル5年をめどに常設展示見直しを図る同館。「企画展も意外性のある視点や切り口にするなど、常に来館者を飽きさせない工夫をしていく。また、文化・芸術や社会教育施設との連携も視野に入れていきたい」と話した。
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