秦野市唯一の蔵元である金井酒造店(堀山下182の1)が秦野産の酒米と蔵の地下水を使って醸造した純米吟醸酒「大地」と「詩歌(しか)」を発表した。1月18日から数量限定で販売されている。
この2つの地酒は、同店が2023年からスタートした秦野酒米プロジェクト「みらいざけ」の第1弾として造られたもの。昨年6月に同店のスタッフを中心に、市内下大槻の田んぼで田植えをし、農業生産法人(株)大地の協力のもと低農薬の特別栽培米として2反分の酒米を確保した。今回、酒造りに使ったのは「五百万石」という酒米。「名実ともに秦野の地酒を造ろう」と、秦野で育てた「五百万石」のみを使い、蔵の地下水である「表丹沢伏流水」で醸造した。
酵母には、秦野市の姉妹都市・長野県諏訪市の酒である「真澄」から分離された「7号酵母」を使用。「諏訪市の環境は秦野に近い。土地のものを意識した酵母選びをした時に、7号に辿り着きました」と同店代表のジェントルゆうすけ(本名・椎野祐介)さんは話す。
同店で初めて、低温長期発酵という手法で造った今回の純米吟醸酒。通常の酒より1週間ほど長く熟成するため、酒の旨味が出やすくなる。野菜やジビエなどにも合うという。「秦野の未来に続くお酒として、スタンダードな日本酒でありながら今っぽさがある飲み口の『ネオクラシックなお酒』が造れたと思います」
”地酒”らしく
酒造りだけでなく、商品名やデザインにもこだわった。
無濾過原酒である「大地」は、原酒の力強さをイメージ。秦野の地下に眠る水脈のようなアルコールインクアートをラベルに採用し、今回の酒造りの協力者である(株)大地と秦野の”大地”から名前を取った。
「詩歌」の名前は、秦野市出身の歌人・前田夕暮の主宰歌誌から。ラベルには、歌人の溢れるエネルギーをイメージしたアルコールインクアートを採用した。ゆうすけさんは「秦野ならではの酒なので、せっかくなら秦野らしさを出したかった。知らない人にもこれを機会に前田夕暮を知ってもらい、秦野の魅力を広めるコンテンツになれば」と思いを話す。
「大地」は720ミリリットルのみで希望小売価格税抜1900円。「詩歌」は720ミリリットル(税抜1800円)と1800ミリリットル(税抜3300円)の2種。販売場所は農産物直売所はだのじばさんず、秦野駅名産センター、同店の蔵直売のほか、同店のECサイトでも購入できる。
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