秦野市立南中学校1年の宅見紅七(べにな)さん(平沢在住)が5月23日、カルチャーパークピクニック広場付近で絡み合った3つの風船を発見した。風船につけられた糸の先にはそれぞれ手紙がついており、山口県下関市にある市立岡枝小学校(関野貴司校長・児童128人)が設立150周年を祝うため飛ばしたものだと分かった。
岡枝小学校で児童らの手紙を添えた風船が空に放たれたのは、22日の午後2時ごろ。宅見さんが発見したのは23日の登校時の午前9時前のため、風船は760Kmの距離を1日足らずで飛んできたことになる。風船についていた手紙を読み、下関市の岡枝小学校で飛ばされたものだと知った宅見さん。「下関の場所を調べたら、とても遠くてびっくり。奇跡だと思い、嬉しくなりました」と振り返る。
気象庁によると、「偏西風帯の流れに乗って、風船が遠く離れた場所に1日ほどで飛来することは十分あり得る」という。22日に岡枝小学校で飛ばした風船は約600個。隣の長門市を始め、愛知県や岐阜県などの県外、最も遠い場所だと千葉県柏市から風船が届いたと連絡が入っている。
ただ、岡枝小学校で飛ばした3つの風船がまとめて1カ所に届いたのは、今のところ秦野市だけ。宅見さんが受け取った3つの手紙には、岡枝小学校が今年150周年を迎えること、学校の近くではザリガニが釣れ、動物も見られる風光明媚な土地であること、手紙の返事が欲しいことなどが書かれていた。
手紙の贈り主のうち2人は、5年生の根角優春(ねすみゆはる)さんと菅田心結(すげたみゆう)さんだ。岡枝小学校ではイベント後、昼休みに誰の手紙がどこに届いたかを発表している。児童らは日々「自分たちの手紙が届いていますように」と祈っているそうで、根角さんと菅田さんは自分たちの名前が呼ばれ、拍手をして喜んだという。根角さんは「まさか神奈川県まで届くと思わなかった」、菅田さんは「手紙を受け取った人が嬉しい気持ちになったと知って私も嬉しい」とそれぞれ感動の胸の内を語った。
宅見さんは、これから岡枝小学校に返事の手紙を送る予定。手紙には、書いてあった内容に対する返事や、秦野市のことを紹介する内容をつづった。「これをきっかけに、いつか下関に家族で旅行に行ってみたい」と笑顔を見せる宅見さん。風船と手紙は、今後も自身の宝物として大切に保管するという。
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