秦野市在住の中学生マジシャン大志さん(本名/川瀬大志さん・14)が8月25日、「不登校生動画甲子園2024」で審査員特別賞を受賞した。
「不登校生動画甲子園」は、Tik Tok Japanが主催する動画コンテストで、不登校経験者が同じような悩みを抱える人へメッセージを届ける機会を提供することを目的としている。
2回目の開催となった今回のテーマは「学校に行きたくない君へ」。220本の動画が『Tik Tok』にアップされ、審査委員長である歌手・タレントの中川翔子さんをはじめとした審査員によって最優秀賞1作品、審査員特別賞7作品など32作品が選出された。
「驚きの表情を見るのが楽しい」
大志さんが不登校になったのは中学1年のとき。入学式後2〜3日で幻聴や体調不良に悩まされるようになり、病院で原因を探ったところ発達障害と判明。その二次障害で、学校へ通うことができなくなったという。
家にいる時間が長くなり『YouTube』で動画を見ていたところ、ある日マジックの動画を見つけた。「面白くて、自分でもやってみたいと思った」と大志さん。まずはシャッフルやスプレッドなどトランプの技から練習を始めた。
朝起きてから夜寝るまで練習に明け暮れ、技が身についたあたりから本格的にマジックに取り組み始めた。誰かにタネを教えてもらうのではなく、繰り返しマジックの動画を見て技の仕組みを想像し、試行錯誤を繰り返すという独自の学び方で、マジックを身につけていった大志さん。昨年11月に自治会の催しに招待され、マジシャンとしてデビューした。
「お客さんの驚く反応を見るのが楽しい」と話す。より多くの人に見てもらうため、ステージマジックも勉強し、クアーズテック秦野カルチャーホールの「サタデーフェスティバル」レギュラー出演者としても活躍。他にも高齢者施設や祭りなどにも活動の場を広げており、引っ張りだこの日々だ。
「夢中になれるものを見つけた」
そんな中で、今回の「不登校生動画甲子園」を知った大志さん。秦野市の「訪問型個別支援教室つばさ」の職員から教えてもらったそうだが、締切まで数日しかないという状況だった。しかし、これまで自身のマジック動画を『Tik Tok』に投稿していたこともあり、すぐに編集して応募できたという。
動画の最初には「不登校は悪くない」というメッセージ。「不登校になったことで、夢中になれるものを見つけることができた。その思いから動画にしました」と大志さんは話す。
8月25日に東京都現代美術館で授賞式が行われ、大志さんは中川翔子さん選出の審査員特別賞を受賞。中川さんは「中学生ですでに本当に好きなことを見つけ、人々を笑顔にしているのはリスペクトしかない」とコメントした。授賞式では得意のマジック「カードマニュピレーション」も披露し、音楽に合わせて空中からカードを次々と取り出すマジックに会場が沸いたという。
今後は、9月15日(日)の「第11回秦野マジッククラブマジックショー」(タウンニュースホール)や10月19日(土)・20日(日)の「おおね秋祭り」(東海大学前駅駅前広場・大志さんは20日)などにも出演予定だ。
「将来はプロのマジシャンになりたい」と話す大志さん。韓国で行われる世界大会への出場を目指しており、「韓国語の勉強もしたい」と意欲を燃やしている。
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