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まちへ、次世代へつなげる"ふくし" 秦野市社会福祉協議会の取り組み
福祉のまちづくりを住民と共にすすめている社会福祉法人秦野市社会福祉協議会(以下、社協)。その多岐に渡る取り組みの中から、今夏に行われた「夏休み親子ふくし体験教室」と、子どもから高齢者まで誰もが住みやすいまちづくりに向けて実施している「みんなのベンチプロジェクト」について取材した。
「交流の場 増えてほしい」夏休み親子ふくし体験教室
社協では毎年、夏休み期間を利用し「福祉について考えるきっかけづくりに」と、親子で参加できる体験教室を実施している。今年も点字・手話・福祉施設でのパン作り・ボッチャ・車いすバスケの5講座を開催。各講座には障害者も参加しており、一緒に活動しながら交流した。
手話に参加した小6の女の子は「耳が聞こえない人がいたけど、明るくて笑っていて楽しそうだったのは、まわりに仲間がいるからだと思った。助け合いが必要だとわかった」と話した。
保護者の学びの場にも
同教室への参加理由の多くが「子どもの視野を広げることができる良い体験になると思った」というもの。しかし、実際には子どもだけでなく、保護者にも学びの場となっているという。ボッチャに参加した保護者は「社会には様々な方が生活しているというのを体験・知る場があればと普段から思う。当事者の方と交流できてよかった」とコメント。また、点字体験の保護者は「健常者と障害者が交流できる場がどんどん増えてほしい」と話していた。
協力団体同士が意見を出し合う
参加者からの要望や意見を受け、社協では来年に向けて教室の運営方法を検討しようと、振り返りの会を実施した。反省会には教室で講師を務めた協力団体が参加。「どうしたら子どもたちが福祉を理解しやすいか」などを話し合った。
パラスポーツの講師からは「障害があってもなくても参加できるように工夫しよう」という意見や、「『障害者は大変だから助けなきゃ』という視点ではなく、障害者が先生という立場で接することで、子どもたちに『すごい』『かっこいい』という新たな視点で見てもらえたら」という意見も出された。
社協では「今後もボランティア団体や福祉施設の協力を得ながら、秦野の子どもたちが小さなころから福祉に触れ、人を思いやる心を育てる環境づくりをいろんな角度から作っていきたい」と話している。
ベンチづくり通し地域交流ベンチ見学ツアーを開催
コロナ禍の2021年に大根地区から始まった「みんなのベンチプロジェクト」。坂道が多い大根地区で、公共施設やスーパー等へ行く際に「途中で休めるベンチなどがあれば」という住民の声をきっかけにプロジェクトがスタートし、現在は市内で4カ所設置されている。
9月26日には、このプロジェクトを秦野市内の他地区へ広め、多くの地域でベンチづくりを通した交流を図ってもらおうと、初めての「ベンチ見学ツアー」を開催。当日は地域住民のほか、秦野市内の民生委員や地区社協役員など14人が参加した。
ツアーは、これまで設置された4つのベンチを回る形で行われた。参加者は製作に携わったそれぞれの地域の責任者から、設置のきっかけや完成に至るまでにどのような経緯があったか、設置後の地域住民の声などの話を聴いた。設置者の住民は「朝市を開いている場所にベンチを置いたことで、住民の交流がさらに増えてうれしい」と思いを語った。これに対し、「自分の地域でもラジオ体操をやっている広場があり、そこにベンチを置いて、おしゃべりの場を作れたらいい」と話す参加者もいた。ツアーにはベンチの製図を手掛けた山本厚生さんも参加し、「ベンチづくりは人づくり、まちづくりを兼ねている」と話した。
社協職員は「ベンチの設置が目的ではなく、小学生から大学生、自治会やボランティアなど、様々な世代が集まって意見や知恵を出し合い、一緒に作る過程を大切にしていることを知ってもらえれば」と話している。
ベンチの作製費用は社協が一部負担し、設置後の管理は地元自治会や地区社協によって行われている。
問い合わせは秦野市社会福祉協議会【電話】0463・84・7711へ。
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