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秦野版 公開:2024年12月13日 エリアトップへ

西小学校5年3組 ジビエ通し食と命学ぶ 総合的な学習で講師招き

教育

公開:2024年12月13日

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実物の罠や毛皮を使い説明する伊藤さん
実物の罠や毛皮を使い説明する伊藤さん

 西小学校5年3組(伊藤悠子教諭)の総合的な学習の時間で12月3日、外部講師を招いたジビエの授業が行われた。PTA会長であり渋沢駅近くの飲食店「ワインビストロ カルバ」を営むソムリエの佐藤比呂之さんと、銀八鮨(堀川)の若女将であり、わな猟免許を持つ伊藤彩夜加さんが講師を務め、それぞれの立場でジビエについて語った。

 5年生の「食」をテーマにした総合的な学習の時間で、3組はもともと農業について調べていた。しかし、2学期に入り講師として招いた農家の話の中で、獣害とその対策の一つとなる食肉のジビエの話を聞き、児童たちが興味を持ち深掘りすることになった。

 その後、ジビエについて調べながら話を聞ける講師を探す中で、校長からのアドバイスでジビエを自身の店で扱うPTA会長にたどりつく。その知人で、わな猟の資格を持つ伊藤さんとともに話を聞くことになった。

ソムリエの見地から

 最初に登壇したのは、カルバの佐藤さん。親戚がマタギをしていたためキジやカモといった野鳥の肉に幼少の頃から親しんでいたこと、レストランで働き好きになったワインを学びに渡仏した際、ジビエという言葉を知ったことを話した。

 また、フランスにはジビエを食す文化があり、かつては貴族しか食べられず今でも高級食材で、ワインとの相性もいいという知識も披露。どう調理すると美味しいかなど料理人ならではの話に、児童は聞き入っていた。

わな猟を語る

 授業後半、伊藤さんはわな猟時に山に入る格好で児童の前に立った。伊藤さんもまた、毎年祭りの時に行く長野県の祖父の家で幼少の頃からジビエ肉に親しんでいたという。さらに大人になってから食べた猪肉が個体で味が違うことに疑問を感じ、あまり流通しないジビエ肉を自分で捕ろうとわな猟免許を取得したという話も披露した。

 授業には小型の野生動物を捕らえる籠タイプの罠や、縄タイプの罠、野生動物の毛皮の実物を持参。罠で捕らえた動物にどう止め刺し(とどめを刺す)をするかなど狩猟現場のリアルを伝えた。

 また、伊藤さんは捕らえた命を余すことなく使うため、レザー製品への加工の取り組みも行っている。命に敬意を払いいかに苦しめることなく止め刺しをするか、初めての時は泣いてしまったことなど、自身の経験談を交え聞かせた。

 授業を終え、「いろいろな話が聞けて面白かった」「お店のジビエ料理が美味しそうだった」など感想を述べた児童ら。今後は、市農業振興課から市内の獣害や市が行うジビエの取り組みなどについて話を聞くなどし、3学期にどうまとめるかを考えていくという。

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